2回デートした男性に好きだと伝えたら「まだ会ったばかりでわからない」と返答が。これからも誘っていいのでしょうか?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室257】
✳️今週のお悩み✳️
2年前に彼氏と別れてから、転職、一人暮らしを経て、彼氏がいない期間を楽しもうと新しい趣味、習い事、ダイエット、筋トレ、エステ等様々なことをやってみて、2年前よりは、自分のことが好きになりいわゆる自己肯定感が高まったという実感があります。そして、彼氏が欲しいと思い始め、最近久しぶりに好きな人ができました。相手は共通の趣味を通じて知り合った2歳年上の男性です。これまで2回飲みデートをしました。お酒の好みが同じだったり、リラックスできる雰囲気に惹かれ、私は1回会っただけで、気持ちが盛り上がってしまい、2回目のデートのときにそれとなく好きだと伝えたところ「まだ会ったばかりでわからない」と言われてしまいました。その気持ちもわかりますが、今までの経験上自分が好きだと伝えたら相手も受け入れてくれたことしかなかったため、その言葉にショックを受けています。彼はおとなしい方で感情が顔に出にくいため、一緒にいて楽しいか聞いたところ、「楽しくなかったら2軒めに行かずに帰ってるよ」と言われました。1回会っただけで直感的に好きになるのはおかしいでしょうか? また、「まだ会ったばかりでわからない」と言われた手前、よくお互いのことを知るためにもこれからも誘っていいのでしょうか? 自分ばかり誘っても、うざがられるのではないかと不安になります。恋愛面ではアップデートできていない自分に落ち込みます。
(ゆでた蟹・27歳・公務員・東京都)
宇多丸:
ぶっちゃけ、これがアップされるころにはもう、自然にうまく行っちゃってる可能性もある、くらいの話だとは思いますけど(笑)。
身もフタもない言い方をすれば、つまるところ「なるようにしかならない」類いの悩みというか。
こばなみ:
「今までの経験上自分が好きだと伝えたら相手も受入れてくれたことしかなかったため、その言葉にショックを受けています」ってところに、すごい! そうなの!?と反応しちゃいましたが。
宇多丸:
そう? そのくらいモテる人も、わりといるでしょ。そこまで珍しくはないと思うけど。
ただもちろん、そういう人はじゃあ恋愛でまったく悩んだりなんかしないのかっていうと、そんなわきゃないわけですから。
こばなみ:
「まだ会ったばかりでわからない」っていうのをそのまま受け取って、じゃあ会う回数を重ねて理解していこうって思えばいいんでしょうけど、ちょっと引っかかってしまってるんですよね。
宇多丸:
まぁね。
たしかに、「とは言えそこはわかんだろやっぱり!」って気もしなくはないけども(笑)。
おそらくだけど、彼も「このままパートナーとして付き合いたいかどうか」はまだ「わからない」っていう意味で答えたんじゃないかな。 だとしたら、好意的に解釈すれば誠実な回答、とも言えるよね。
こばなみ:
ちょっと、思い出してきちゃいました。
私の件です。楽しいと言われて4~5回二人で会っていたけど、好きだと言ったら「ない!」という結末だった話。
宇多丸:
まぁ、残念ながらそういうことになるケースも、当然あり得ますよね。
でも、こばなみのその話は、考えようによっちゃはっきり言ってもらってよかった、とも言えるんじゃない?
なんにせよさ、誰とであれ二人っきりで飲みに行くって、性的なニュアンス抜きだったとしても、お互いかなり濃い関係性であることが前提なのは間違いないわけじゃん。 実際男同士でも、サシ飲みはさすがにちょっと照れくさかったりしますよ(笑)。親しければ親しいほど、そうかもしれない。 だから、そこで片方もしくは両方が相手に特別な好意を抱き始める可能性、それ自体は、否定しようもないと思うんですよ。
逆に言えば、いくらその気がないからって、二人飲みをしている相手が実はこちらに恋愛感情を抱いていたという可能性を、いやーまったく想定してませんでした!みたいな態度も、なんだかわざとらしいというか、ちょっとした無神経さを個人的には感じますね。
とにかく、この相談を読む限り、脈がゼロじゃないことはむしろはっきりしたんだから、素直にこちらからどんどんお誘いをかけて、あちらの姿勢を軟化させる努力をしてくしかなくない?と思うけど。 要は、礼を失さない範囲で相手の気持ちを探っていく……、誰もが恋愛初期には普通に経ている段階ですよ。 こればっかりは「アップデート」なんかしようがない話でさ。相手は個別の、生身の「他者」なんだもん。 だから、ゆでた蟹さんが特に不甲斐ないとかいうわけじゃないですから。
ただ僕、ゆでた蟹さんがすごくいいなと思うのは、ちゃんと「自分が好きな自分」でいるためにアクションを起こして、そこに関してはきっちり達成感を得るレベルまで行った上で、つまり自己というものをしっかり確立した上で、改めて恋愛という、言わば「他者」と向き合う行為に進んでるじゃない? これ、とーっても真っ当な成長のプロセスだと思いますよ。
こばなみ:
総合的に良い状態ってことですね。
宇多丸:
なので、仮に今回の件があまり芳しい結果にならなかったとしても、大元の人間的魅力がすでにバッチリ上がった状態なんだから、そんなに凹む必要はないし、ヘタすりゃモテ期、始まっちゃうんじゃないの?って気が僕はしますけど。
少なくともそれくらい、楽観的に構えてていいんじゃないかと思いますよ、今のゆでた蟹さんは。
とりあえず、今度彼と会ったときには、いつもより酔わせて、こばなみの必殺技「袖引っ張り」くらい、やってみちゃいなよ! 相手が奥手なら奥手なほど、こっちが攻めるしかないんだから。 特にいまどきは、まともな男性ほど、色恋的なアプローチをかけるということに慎重にならざるえない、という時代状況がありますしね……。
こばなみ:
今頃解決されてたらバンザ~イ! だけど、もしまだモヤモヤしてるようでしたら、ぜひにも誘って「袖引っ張り作戦」、やってみてくださいね!
【今週のお絵描き】
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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2018年11月3日に公開したものを再編集し、掲載しています。