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【埼玉】誰もが生きやすい社会を目指して。靴ブランド「Mana’olana(マナオラナ)」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、埼玉県で下肢装具をつけて履けるオシャレな靴ブランド「Mana’olana(マナオラナ)」を起ち上げ活動されている、布施田祥子さんに聞きました。


誰もが自由に選択できる日常を


私は、下肢装具をつけて履ける靴のブランド「Mana’olana(マナオラナ)」を起ち上げ、企画開発から販売までをおこなっています。

私の会社では、障がい当事者のみなさまが、よりおしゃれに過ごすための製品、さらに快適になるサービスを取り扱い、ご紹介しています。「どんな人もご自身に合った選択肢をもつことのできる世界、自分らしさをあきらめない世界」を目指しています。

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私は9年前に第一子を出産し、その後8日目に脳出血で倒れ、左手足に麻痺障害が残るようになりました。外出時に歩行を支える「下肢装具」の着用が欠かせなくなったのですが、これをつけると履ける靴は限られてしまいます。

もともとオシャレが大好きだった私は、当時靴も100足ほど持っていましたが、そのどれもが履けなくなってしまいました。オシャレな靴を履きたくとも、下肢装具対応の靴では機能性重視のオシャレとは程遠いものばかり。あまりにも選択肢の無い現実に愕然としました。

それでもオシャレを諦めたくなかった私は、「履きたい靴がないのなら、自分で作ってしまえばいいんだ!」と一から靴作りを始めました。多くの方とのご縁、ご支援により、2019年には株式会社LUYLを創設し、Mana’olana(マナオラナ)というブランドを起ち上げることができました。

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メーカーとデザインの打合せ


現在は、Mana’olana(マナオラナ)の活動以外に、中学校や大学などでのワークショップや講演をはじめ、啓発活動にも力を入れています。

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そして、私たちは、障がい者の選択肢を増やすための「NEW STANDARD SHOES PROJECT」を立ち上げました。これは中学生、大学生がチームを作り、誰もが分け隔てなくオシャレができる、夢の靴のデザインにチャレンジする企画です。学生の皆さんが考えたデザイン案は、「超福祉展」(2020年9月2日~8日開催予定)でプレゼンテーション、投票もおこなう予定です。

これらの活動をとおして、障がい者だから、健常者だからといったような垣根のない、誰もが生きやすい日常を作れるようなお手伝いが少しでもできれば嬉しいです。

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ブランド名「Mana‘olana(マナオラナ )」は「自信・希望」を表すハワイ語です。

自分の好きなものを身に着けたり、好きな場所へ行ったり、何かひとつ心をワクワクさせるものや笑顔になれることがあれば、自分に自信が持てる。そして希望をもって外の世界に1歩踏み出せる。
そんな思いが芽生えてくることを願って名付けました。


「履きたい靴が見つからない!」そんな不自由さから始まった靴作り


私は突然2つの障害を負い、自身が障がい者となったとき、初めて障がい当事者の選択肢の少なさを知りました。
小さい頃からファッションに興味があり、なかでも靴が大好き。毎日その日の服装に合わせて靴を選び、さまざまなコーディネートで自分らしいオシャレを楽しんでいました。しかしそんな日々は、ある日を境に大きく変わってしまいました。下肢装具対応の靴の種類の少なさに衝撃を受け、これまで当たり前にできていたオシャレも楽しめない。そんな不自由さに直面したのです。

身体が不自由になったことよりも、自分の楽しみを自由に楽しめない不自由さが私にはショックでした。身体の自由を失ったからといって、好きなモノを選び、身に付ける自由まで諦めるなんて……。我慢できない!!

仕事も接客業から庶務に変わり、私の性格にはあまり向いていないと感じる毎日。(もちろん向いている人もいるだろうけど……)

そんな悩みをまわりに相談したところ、リハビリの先生から「自分でファッション性の高い靴をつくってみたら?」というアドバイスをもらいました。さらに、そんな私を横目で見ていた友人が、私のために靴作りのワークショップ(素人が3カ月で1足作るというワークショップ)に参加。「意外と簡単に作れるよ!」と教えてくれたこともあり、「自分でも靴をつくりたい!」という思いが強くなっていきました。(もちろん、実際に販売するための靴作りは試行錯誤の連続(笑)。販売に至るまで2年を費やしました。)

そんなとき、埼玉県が主催する女性起業家向けのビジネスコンテスト「SAITAMA Smile Womenピッチ」に出会い、一歩踏み出すきっかけになる!と勢いで申し込み。自分の頭の中にぼんやり思い描いているものが、ビジネスとして通用するのか試してみたいという気持ちもありました。

しかし申し込んだものの、起業の知識なんて全くなかったため、セミナーで勉強したり、資料をつくったり。「事業計画書って何?」というレベルから右往左往しながらも、なんとか事業を進めていきました。

そこからは負けず嫌いな性格も手伝い、コンテストでは初参加ながらも賞をいただき、翌年2018年には日本青年会議所主催「地域未来投資コンテスト」でグランプリの内閣総理大臣賞をいただくまでになりました。そんな経緯を経て、セレクトショップ「Mana’olana」は誕生しました。

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Mana‘olana代表:布施田祥子

実際に販売するための靴作りは、そう簡単ではありませんでした。特に私たちの目指す「靴」は、今まで世の中に無かったものを一から生み出すことでもあったため、販売できるものになるまではかなりの時間と労力が必要でした。実際に販売できるまでには2年近くかかり、その間10足以上の試作をしています。それでも、友人やリハビリの先生方からの言葉が、私の靴作りへの後押しをしてくれたことに間違いありません。


誰もが自由に選択できる日常を目指して


私たちは靴屋さんになりたいのではなく、靴をきっかけに誰もが生きやすい社会にしたいと思っています。私が色んな人たちに背中を押してもらったように、この靴が誰かの自信や希望になり、踏み出すきっかけになれば嬉しいですね。

病気やアクシデントで体の自由を失うことは、誰にでも起こりうるできごとです。そんな時、それまでの自分を諦めることなく生きられたら、どんなに励みになることでしょう。

「誰にとっても選択肢のある日常が当たり前に」

そんな日が実現できるよう、これからもさらに活動に力を入れていきたいと思っています。
デパートなどの靴売り場に、一般の方用の靴と同じフロアに下肢装具が必要な方のための靴が並んでいる。そんな当たり前の風景を目指しています。また、実店舗のセレクトショップも作りたいというのも目標の1つです。

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全国の女性へメッセージ

もともと「起業したい!」などとは全く考えてもいなかった私ですが、気づけば起業し、さまざまな活動をするようになりました。
女性だから、病気だから、障がい者だから……など、多くの壁はありますが、発信することで変わることもあります。些細なことでも行動に移すことで、必ず何かしらの変化が起こるはずです!
また、自分の想いを発信(口に出すこと)も大切です。今の私がこのような活動をできているのも、多くの仲間に出会えたおかげ。出会いも縁も、私の小さな発言や行動からつながったものだと思っています。ぜひみなさんも、小さな一歩を踏み出してみてくださいね。

★好きな言葉★

「根拠のない自信」

私は、根拠のない自信をもつことは、とても大切だと思っています。病気で倒れた当初、絶対に無理だと言われていた“半年後の嵐のライブ”に行くことができたのも、ビジネスコンテストで内閣総理大臣賞をいただけたのも、自分の中に‟根拠のない自信”があったからこそ、エネルギーが湧いてきたんです。別に根拠なんてなくていいんです!「きっと大丈夫!」「私ならやれる!」と、根拠のない自信で突っ走りましょう!

「物事は、捉え方次第で未来は変わる」

これは障がい当事者になった後、母から言われた言葉。私のなかに根付いている大切な言葉です。


セレクトショップ
Mana’olana

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商号:株式会社LUYL ブランド名 セレクトショップ「Mana’olana」
代表者:布施田祥子
住所:埼玉県さいたま市中央区上落合2-3-2 新都心ビジネス交流プラザ3階cocoオフィス
電話:048-400-2717
MAIL:info@manaolana.jp
HP:https://manaolana.jp
SHOP:https://luyl.shopselect.net/

誰にとっても「選択肢のある日常」が当たり前になる社会を創りたい。そんな思いでManaʼolanaというブランドを立ち上げました。Manaʻolana(マナオラナ)は「自信・希望」を表すハワイ語です。自分の好きなものを身に着けたり、好きな場所へ行ったり、心をワクワクさせるものがあれば、自分に自信が持てる。そして希望をもって、また外の世界に1歩踏み出そう。そんな思いが芽生えてくることを願ってつけました。マナオラナの靴、そしてこのブランドを通じて多くの人の心の後押しをしたいと思っています。




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