【鹿児島】輝く命のワンシーンを切り取る「November8 photography」
日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、鹿児島県でマタニティ・ニューボーンフォト専門スタジオ「November8 photography」を営む、納所くららさんに聞きました。
生後21日以内の新生児を写真におさめる「ニューボーンフォト」
私は、鹿児島県鹿児島市で、マタニティ・ニューボーンフォト専門スタジオ「November8 photography」を開いています。
スタジオ名”November8″は、私の息子の誕生日から取りました。親御さん、ご家族にとって、お子さんの誕生は人生を一変する素晴らしいできごとです。私も、子どもが誕生したときの感動や感謝、愛おしさは、今でも忘れることができません。そんな親御さんの気持ちに寄り添い、写真に収められるよう、私自身も初心を忘れないようにと名付けました。
ニューボーンフォトとは、おもに生後21日以内の新生児の写真のこと。多くの欧米諸国では、日本のお宮参りのように、赤ちゃんが産まれてから最初に行う行事の一つとして、一般的なものとなっています。
最近は日本でも、有名人の方がSNSで話題にするなど、徐々に認知度も上がってきていますよね。
生後21日以内の赤ちゃんは、まだ胎内の記憶が強く残っている状態です。そのため、胎内にいる時の格好や身体の柔らかさを活かしたニューボーンフォト独自の写真を撮ることができます。ニューボーンフォトは、その期間だからこそ撮れる写真でもあります。
そんな生まれたばかりの赤ちゃんを撮ることで、赤ちゃんの小ささや愛らしさ、生命の美しさ、そして、お母さんの想いを写真に残しています。
お母さんには子どもの成長の記録の一つとして、また出産という神秘ともいえる当時の記憶を思い出す一助として。そしてお子さんにとっても、「生れた瞬間からこんなに愛されていたんだ」と実感できるような写真になればと思っています。
現在は、自宅兼スタジオに招いて、県内各地からのお客さまを撮らせていただいています。
ニューボーンフォトの場合、出産前に予約いただき、予定日から計算して仮のスケジュールを組み、実際に出産されてから再度日程調整をして「撮影」となります。
とてもデリケートな赤ちゃんを撮影するうえ、お母さんの体調にも気を付けながらの撮影となりますが、できるだけ安心してお越しいいただけるように環境を整えておくのも私の仕事の1つ。
もちろん、撮影に欠かせない小物類もこちらでご用意させていただいています。
‟ニューボーンフォト”に出会い、出産したときの温かな気持ちを思い出した
私がニューボーンフォトに出会ったのは、息子がやんちゃ盛りの2歳だった頃。
当時の息子はイヤイヤ期で、まさに”魔の2歳児”。育児・パート・家事にと疲弊していた私は、つい彼にイライラして怒ってしまったり。愛しいはずの息子に対して、「どうしてもっと優しくできないんだろう」と悩み、自分を責める、そんな日々でした。
そんな時に出会ったのが、有名フォトグラファーRuss Jackson氏のニューボーンフォトでした。
その神秘的ともいえる写真を目にして、私は衝撃を受けました。そして私のなかに、息子を産んだ当時のあの暖かくて懐かしい感情が湧き上がってくるのを感じたんです。
「そうだ、私はこの子を産んだ時、この子に何を想った?」
ただ健康に産まれてきてくれた小さな命に感謝しかなかったことを思い出させてくれたのです。
育児に対しても心がふっと軽くなり、肩の力が抜けた気がしました。まさに一枚の写真に「救われた」のです。
もともとブライダルフォトグラファーのアシスタントとして写真に携わっていた身として、「私もこんな写真をぜひ撮ってみたい!」と思うようになりました。
そんな想いが高まっていたとき、Russ Jackson氏がロンドンでワークショップをやっているという情報をキャッチ。何としても参加したいと思い、家族に相談した結果、なんと家族総出でロンドンへ行くこととなりました。
言葉に関しては通訳さんをお願いし、万全の準備でワークショップに参加。ニューボーンフォトに関する撮影技術やノウハウについて直に学びました。
各国からの参加者たちのモチベーションの高さ、向上心の高さに刺激を受け、それまで感じたことのないほど心が揺さぶられました。ここでの経験は、私のその後の道しるべになっています。
「今度は私が、赤ちゃんが誕生した時の想いを残す写真を”ママ”のため、”赤ちゃん”のために撮影していこう!」。帰国後は、その想いで、地元鹿児島に鹿児島初のニューボーンフォト専門の写真スタジオを立ち上げました。
ニューボーンフォトを通じて、地元のお母さんたちに元気を!
スタジオ開設後は、友人知人を撮影することから初めて、今では県内各地の親御さんからご依頼いただくまでになりました。また、デパート内で写真展を開く機会もいただき、地元のイベントにパネリストとして参加させていただくなど、活動の幅が広がりつつあります。2020年12月には、私の写真を使った写真絵本のような子育て本も出版される予定です。
これらの活動を通して、ニューボーンフォトをより多くの方に知っていただきたい!そして、地元のお母さん方を元気づけられるような、‟育児の糧”となるような写真を撮っていきたいと思います。それが、子どもたちの未来も明るくできるものだと信じています。
全国の女性へメッセージ
私は、どちらかといえば内気で、自分から何か積極的に行動するようなタイプではありませんでした。いわゆる普通の主婦であった私が、写真スタジオを開き、写真展を開催したり、このような取材を受けるようになるなど、夢にも思っていませんでした。
それでも、ニューボーンフォトに出会い、「やりたい!撮ってみたい!」という気持ちに突き動かされ、行動した結果が今につながったのだと思います。もちろんそれも、家族をはじめ周りの友人たちが協力してくれたからこそ。とても感謝しています。
勇気をもって行動することで、夢は叶う! やりたいことと出会ったら、恐れずにとにかく行動してみてください。
★好きな言葉★
何気ない日常的な毎日も、実はとてもドラマチックなものだったりします。誰もが物語の主人公であり、みなさんのドラマチックな人生の一瞬を写真に残していきたい。カメラを通して、豊かな人生を彩るお手伝いができれば嬉しいです。
マタニティ・ニューボーンフォト専門スタジオ
「November8 photography」
HP https://www.november8baby.com/
Instagram @nov8photography
E―mail november8baby@gmail.com
【書籍情報】
『ママへ・・・1095日のキセキ(仮)』橘こころ著/納所くらら写真
12月に風鳴舎より発売
風鳴舎のHPはこちら
Amazon予約ページはこちら