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【大分】人材育成に情熱を燃やす「一般社団法人NINAU」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、大分県で地域を担う人材育成に取り組む、「一般社団法人NINAU」代表理事の岡野涼子さんに聞きました。


地元の魅力を子どもたちに伝えることで、未来の担い手を育てる


私たち一般社団法人NINAUでは、地元地域の日田(ひた)を担う(ニナウ)人材の育成に取り組んでいます。

小学校などで地元の仕事を紹介する「おとな先生」の授業をしたり、高校生たちと地域活性化のプロジェクトを行ったりすることで、自分が住んでいる地域にはすばらしい企業や資源があると感じてもらい、地元で暮らす人たちを増やすのが私たちの役割です。

人口減少・少子高齢化は、地方ではどこでも叫ばれていることですが、日田市もこのままでは地域や企業の担い手が減り、美しい街並みや日田市ならではの文化を遺すことができなくなります。
そのような未来を忌避するため、地元企業の事業強化をおこないながら、日田を担う人材の育成・定着・増加を目的に、一般社団法人NINAUを結成しました。

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日田市の小学校に社会人講師を派遣し授業を行う「おとな先生」プロジェクトでは、子どもたちに直接授業をおこなう、さまざまな仕事人をコーディネート。自分たちが暮らす地域にはどんな仕事があるのか。大人たちはどんな気持ちで働いているのかなど、地域の人たちが「おとな先生」となって、子どもたちに教えていきます。

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竹灯籠作りのワークショップをしたり、ドローンを使った最新の土木工事を体験したり。消防士さんから技術者、電力会社の方など、さまざまな業界で働く大人から直接学べる機会は、子どもたちにとってっも、日田市の将来においても、有意義な時間となっていると思います。

特に反響が大きいのは「僕らのみらい会議」です。「日田市内のすべての高校1年生に届けたい!」という想いで、各学校の校長先生たちに打診をしたところ快諾してくださり、県立高校と私立高校が平日の昼間に同じ授業を受けるという、通常ではありえないキャリア教育が実現しました。「日田市」という単位で1000人規模のキャリア教育がおこなえるのは、本当に学校の先生方の理解と協力のおかげだと感じております。

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「僕らのみらい会議」では、実行委員を高校生がおこないます。自分たちで企画し自分たちで運営する。準備途中には「こんなに大変だとは思わなかった」とみんな焦ったり戸惑ったりしていますが、終わった後はみんなが「こんなに達成感を味わったことはない。またやりたい!」と言ってくれます。どんなに小さくても成功体験を積み重ねることが、自己有用感につながり、地域人材の育成につながっていくのだと感じています。

「僕らのみらい会議」では地元の企業紹介をするので、準備として企業訪問をします。当初は、「仕事や働くことに希望を全然持てない」と話していた高校生が、地元企業経営者から直接お話を伺った後には、「なんか目の前が明るくなった」「働くことって思ってたより悪くないのかも」と言ってくれるように。直接経営者から話を聞く機会や、自分の将来について考える時間がどれほど大切か痛感しました。私はこの一瞬のために仕事をしてるような気がします。



高校生の「この町には何もない」という言葉に触発されて


私はもともとキャリアコンサルタントとして、地元の国立大学で大学生の就職支援の仕事をしていました。その中で「格好いい仕事は都会にある」と思っているたくさんの学生たちに遭遇し、「地方はこれかどうなるんだろう」という危機感を持っていたんです。

そんな時、地元日田の高校生シンポジウムのコーディネーターを任され、高校生から「この町には何もない」という発言を聞いたのが、実際に活動を始めるきっかけに。私は東京や他の地域で暮らした経験があるため、地元がどんなに素晴らしいところなのか気づくことができましたが、たしかに高校生の時には、やはり地元に魅力を感じていなかったことを思い出しました。

「これはなんとかせねば!」と感じ、市役所と協働で「日田しごと学び舎」というプロジェクトを立ち上げました。企業訪問をしたり、キャリアについて語る座談会をしたりと、現在の事業の基盤はこのときにできあがったものです。

最初はボランティアベースだったため、仕事との両立はとても大変でしたが、活動をするうちに企業や学校現場からの要望も増え、3年後に法人化。一般社団法人NINAUを立ち上げることができました。現在は6名(スタッフ2名おとな先生コーディネーター4名)で活動をしています。

「地域全体で子どもたちを育てる」を目標に掲げ、地元企業の皆さんと一緒に、地域を担う人材の育成に取り組んでいます。

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若者がいきいきと働き、暮らせる仕組みづくりを


‟地方で若者が暮らしていける仕組みを創る”、これが私の目標です。

キャリア教育で、子どもたちに仕事を伝え知ってもらうことはとても重要ですが、それだけでは地方の衰退には追いつけないと感じています。雇用など新しい働き方の仕組みを創っていくことで、若者がいきいきと働き・暮らせるようにしたい。

具体的には、パートナー企業との人事交流をおこなったり、「手に職人材」を育てるプログラムなどを準備しています。

例えば、地方に少ないとされるデザインやWeb分野でのスキルなどを身に着け、自分の付加価値を上げることで、地方でこそ働き方をデザインし、豊かに暮らすことはできるのではないかと考えています。

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全国の女性へメッセージ


「べきの壁」を越えよう!

正直、まだまだ地方では、女性という立場で事業をおこなうのは大変なことが多くあります。ただ最近、「よく女性はこうあるべき」、結婚したらこうすべき」という『べき論』は、自分の心の中にある、地方で培われた価値観でもあると思うようになりました。

自分と向き合い、自分が正しいと思うのであれば突き進めばいいし、違うと思えばやめればいい。活動をしていれば大変なことは沢山ありますが、べき論を越えながら目標に向かっていけることはとても幸せなことだと思っています。


★好きな言葉★

「自ら計らわず一歩一歩前へ」

これは城山三郎先生の本の中に出てくる、広田弘毅氏の言葉です。小手先で何かをしようと思っても物事はうまくいかないので、大きな流れに任せる。近道も早道もない。この信条で事業に取り組んでいます。

未来の人材を育む
一般社団法人NINAU

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一般社団法人NINAU https://www.ninau.or.jp/

大分県日田市元町15-1 

0973-22-3720 

info@ninau.or.jp

一般社団法人NINAUという会社で地域を担う(ニナウ)人材の育成に取り組んでいます。小学校などで地元の仕事を紹介する「おとな先生」の授業をしたり、高校生たちと地域活性化のプロジェクトを行う中で、自分の地域には素晴らしい企業や資源があると感じてもらい、地元で暮らす人を増やすのが私たちの役割です。




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