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抜擢人事でマネージャーに。でも、前任者による迷惑行為で業務に滞りが……。こんなとき、どうする? 《キャリア形成編-6》

リーダーとして仕事をしていれば、必ずぶつかる
コミュニケーションや人間関係の問題。
相対する人も違えば、状況もさまざまで、
「こうすれば正解」がないのが
難しいところです。

そこで、
リーダーとして働く女性が実際に体験した
コミュニケーションの課題と
それに対するアクションを
ケーススタディとして紹介。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

総合商社に勤めた経験を活かしてIT系のベンチャー企業に転職したマメさんは、入社後まもなく、企業経営にも関わる職位であるマネージャーを任されます。しかし、喜びも束の間、その抜擢をよく思わない前任者から業務妨害が……。マメさん流の乗り越え方とは?

ニックネーム:マメ(30代)
◆職種:IT系ベンチャー企業 マネージャー職
◆部下の人数:5人
総合商社に勤めた経験を活かし、IT系のベンチャー企業に転職。学生時代から起業に興味を持ち、“社会をワクワクさせる”ビジネスを展開したいという夢を持つ。出産・子育てを経て、ライフステージに合わせた自分らしい働き方を確立し、日々邁進中。


実績を認められて役員になったけれど、前任者からの業務妨害に辟易


私は総合商社で経験を積んだ後、その知見を活かしてIT系のベンチャー企業に入社しました。
幸いなことに私の働きぶりを見た社長から高い評価をいただき、入社して1ヶ月後には既存のマネージャーを解任し、私が後任になる話が持ち上がるように。

しかし、入社してまもない社員がマネージャーになるのは前代未聞の状況。急に下克上のような形になってしまったことを前任者がよく思わず、私に辞退させようと、さまざまな業務妨害をしてきたんです。

業績を上げたのは私なのに自分の成果として社外に発表したり、取引先にも私に関して悪い噂を流したり……。社内情報を閲覧できるメンバーから私を外すなど、実務に影響があるようなものもありました。


「業務妨害をされる」ことを前提にして、周りも巻き込んで仕事を進める!


もちろん、こうした業務妨害により働きづらさを感じる場面は多々ありました。資料の閲覧権限がないのは仕事をするうえでかなり困りましたし、私についての悪質なデマを先方が信じてしまい、彼らとの関係がギクシャクしてしまうことも。

しかし、マネージャーとして進めなければいけない仕事があることに変わりはありません。前任者との関係を改善するには時間がかかると感じた私は、業務妨害が続くという前提のもと、仕事が滞らない方法を取ることに。自分一人で抱え込まず、メンバーとうまく連携しながら、どうしたらこの事態を乗り越えられるか、打開策を具体的に考えていきました。

まず、私が閲覧を制限されてしまった資料に関しては、閲覧可能なメンバーに確認をお願いするなど、役割を分担。しばらく自分は閲覧できないという前提で、どうしたらスムーズに作業を回せるかを考えました。

また、実際のマネージャー業務を行っているのは私であるにも関わらず、そこかしこに前任者の名前が掲載されたままであったことも、社内外に混乱を与える原因となっているのではないかと上層部に相談。誰がどの立場なのか、資料上もすべて統一しないと、前任者も納得しないことを伝えました。


客観的な意見をもらうことも大切にしながら、自分のために常に勉強


こうして、前任者とのトラブルについては、周りの人を巻き込みながらなんとか解決の糸口を探していきましたが、悩んだり困ったりしたときは会社とは直接関係のない人やものを通した視点も大事にするようにしています。その方が、より客観的に悩みや課題を解決することができると思うんです。 

例えば、人間関係の悩みは、私とは違って論理的に思考するタイプである姉に相談することが多いですね。「メンバーの要望と経営側のスタンスがうまく噛み合わないのだけど、どうしたらいい?」と相談すると、「従業員の要望も理解できるけど、経営方針と合わないなら優先順位を下げた方がいい」など、自分にはない視点でアドバイスをくれます。

ビジネス系のネットサービスを利用して自分と同じような業務をやっている人を探し出し、ダイレクトメッセージで相談することも。より具体的なアドバイスをもらうことができるので、助けられています。件の業務妨害に関しても、一連の状況を打ち明けたうえで、今後の立ち回り方などを相談したりなどもしました。

このように、ほかの人の意見を積極的に聞くようにしながら、自分でも専門書を読むなど、スキルアップすることをやめないようにしています。自分の知識が増えれば、たとえトラブルが起きても、悩んだり迷ったりする時間を少なくすることができます。また、誰かに相談する場合も、相手と同じくらいの知識量があった方が、より内容が詰まった会話をすることができます

組織の中で働いていると、人間関係のすれ違いなど、どうしても悩みが生まれてしまうもの。社内・社外問わず積極的に周りの人の知見も借りながら、乗り越えていきたいですね。そして、そんなときに相手にしっかり相談ができるように、常に自分もレベルアップしていくのみです!




イラストレーション:高橋由季







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