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ユーモアのある提案を進めたくても、頭の固い部署から一蹴される。こんなとき、どうする?

リーダーとして仕事をしていれば、必ずぶつかる
コミュニケーションや人間関係の問題。
相対する人も違えば、状況もさまざまで、
「こうすれば正解」がないのが
難しいところです。

そこで、
リーダーとして働く女性が実際に体験した
コミュニケーションの課題と
それに対するアクションを
ケーススタディとして紹介。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

大企業の営業本部で、教育研修の仕事に携わっているチサコさん。長年勤めてきたからこそ肌で感じる、上層部が作り上げたお固い社風を吹き飛ばしたいと、新規提案を持ちかけます。すると「ふざけるな」の声、声、声。それでも引き下がらず突破したチサコさんの、大切にしている考え方とは?


やるなら受け手に刺さることをしたい。でも頭の固い人たちから「ふざけるな」と一蹴され……


今、所属しているのは社員教育や研修を担う部署。全国のフランチャイズ加盟店への教育改革を掲げています。私はそのプロジェクトリーダーに任命され、何をやったらきちんと伝わるかなと頭を捻っていました。

うちの会社のそれまでの教育というと、研修という名目で、お偉いさんが出てきて真面目な話をして……といった、ありきたりのもの。でも、それだと実際にお客様と接している立場の方たちにまでしっかり届くのかな?と疑問に思っていました。

そもそも、小難しい話をされたり、お堅い動画を見せられても、退屈しちゃいますよね。

そこで、社内報やCMを制作する部署にいた頃の経験も生かし、思い切ってマンガ仕立ての教育ツールを提案してみたんです。それも、おもしろおかしい内容で。

すると、「そんな表現はうちの会社には合わない」、「これではスタッフに理解してもらえない」、「そんなふざけた内容だとほうぼうから怒られてしまう」とか、各部署からダメ出しをくらいました。古い会社ですし、”おふざけは御法度”みたいな空気が根強いんですよね。


ただ文句を言いたいだけの人たちのことは、すっ飛ばす!


ダメ出しされたからといって簡単に引き下がるわけにはいきません。こういう考え方だからこの表現なんだと、一生懸命説得しました。同じ部署内でも理解できてない人もいたので、改めて真意と骨子を伝えて。

そうして出来上がった冊子は、社内で関係する部署に回覧して校正をしてもらうんですが、そこでただ文句を言いたいだけの人たちは、すっ飛ばすことにしました。回覧してもらう相手も、プロジェクトリーダーである私の権限で決められましたから。

回覧しなかったことで間違いがあったり、表現にNGがあったりしたら、それこそ責任を取る覚悟を持ってのことです。


出る杭は打たれる。リスクや批判を恐れて挑戦できない。そんな風潮を無くしたい


社員として30年以上お世話になっていて、こんなことを言うのは気が引けますが、うちの会社は本当に古くて、外のことを知らない。新しいことをしたいと口にしたら頭を叩かれるみたいな感じなんです。社員たちからも、「うちの会社は冒険しない」という声が聞こえてきます。

私はちょうど教育改革に携わる立場にいるので、どうにかこれまでとは違う風を吹き込みたいと思っているんです。会社全体に大きな影響は与えられないかもしれませんが、私の仕事が、少しでも変わるきっかけになってくれたらいいですね。

批判されたらどうしようとか、リスクのこととか、いろんなことを考えすぎて尻込みしてしまう人が多いけれど、それでは新しいことは始められないですよね。私は、自分がやりたい、やれば良くなるはずって思っていることは、どんどん挑戦していきたいと考えています。


挑戦には勇気と覚悟がいる。だからこそ、どこに向けた仕事なのか、しっかり軸を持って


最近は、社員教育用の動画をアニメーションで制作しました。かつては、制服をピシッと着た女性が真面目なことをやっているような実写動画ばかりだったんですが、今回のアニメでは、まず主人公の社員に思いっきり失敗させて。失敗の原因を考えて、正しい方へ進もう!みたいな内容を、ちょっぴりお笑い要素を交えて作りました。

案の定、それも「ふざけすぎ」と言われましたが、結果としてはまったく問題なかったんですよ。プロジェクトをやり遂げられるかどうかのボーダーって、進める過程で批判的に言われたときにビビってやめてしまうのか、突き進められるのか、なんじゃないかな。

そもそも、何をもって「ふざけすぎ」と言っているんでしょうね。
大切なのは、社内の一担当者の感想ではなくて、その先にいる人たちが、自分に向けて作られたものだと思ってくれるかどうかのはず。
さらには、最終的に商品が流れ着く先はお客様なので、私はできるかぎりお客様の方を見ようと思っています。

自分が社風を大きく変えられるとは思ってないけれど、こんなふうに、勇気を持って新しいことに挑戦し、覚悟を持って成し遂げようと奮闘しています。同じように勇気と覚悟を持った社員が増えてくれると、少しずつ風向きが変わっていくんじゃないかと思っています。



イラストレーション:高橋由季








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