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4カ月付き合って2度の別れ話があり破局。忘れられない彼とヨリを戻したらうまくいく?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室211】


✳️今週のお悩み✳️
私の悩みは、ヨリを戻してうまくいくかどうかです。25歳で初めて5歳上の彼氏ができました。結婚を前提に約4カ月付き合って、その間に2度別れ話が起こりました。なお、共通の友達はいません。1度目は、会うたびに「結婚したい」と言われていたにも関わらず、ある日突然「結婚できないから別れたい」という内容。「私がいつか離れていくんじゃないかと思い、深入りする前に別れようと思って言った。けど、自分が間違ってた。ごめん」という弁解でした。許してやり直すことに。
あいだを1カ月ほど挟みまして2度目は、私が実家暮らしの分際で家族とケンカしたり等、わりとヘヴィな話を都度相談していたら「もう少ししっかりしてほしい。自分に寄りかかられても困る。気持ちが離れた。別れたい気もするけど、別れたら後悔しそう」と言う内容。当時、仕事をしながら転職活動をしており、疲れ果てていた私は考える気力も起きず、「あなたが後悔しない方を選んで」と伝えると、彼は2~3時間悩んだ末に結局別れることに。なぜか別れ際に頭をなでられ、本当に複雑な気持ちのまま、別れました。補足をしますと、1度目の別れ話のあとは、より一層彼の結婚したい願望が高まったようで、言い方が悪いですが、彼の方が私にぞっこんな感じでした。同棲したいと言われ、食器類などを買い揃えている途中で2度目の別れ話を持ち出されました。
何か問題がある度に私が冷却期間を設けたり、話し合いの場をお膳立てし向き合ってきたつもりです。ただ彼は、深刻な状況にならないとこういう話ができない状況が嫌だと言っていました。もうすぐ別れて2カ月経ちますが、いまだに彼のことが忘れられません。SNSもまだ相互フォローしている状態で、ときどき「一生結婚できない気がする」「結婚してくれ」などと投稿しており、そのたびに会いたくなります。趣味が合うのはもちろん、あんなに気が合って一緒にいて安心できる人は友達でも今までいませんでした。他の人に言い寄られても、どうしても彼のことを思い出してしまいます。恥ずかしながら今までまったくモテなかったので圧倒的に経験値が低く、自分でこの問題をうまく処理できません。アドバイスをいただけますと非常にうれしいです。

(まさこ・26歳・東京都)


宇多丸:
まずさ、率直に申し上げて……、付き合い始めの4カ月で2度別れ話って、ちょっと頻度多すぎない?(笑) 
そこんとこだけ聞くと普通に、「ってことは、よっぽど合わないんでしょ?」って思っちゃいますけど。

4カ月目なんて、まだまだ付き合いたてホヤホヤみたいなもんなんだしさ、まさしく「アバタもエクボ」でおかしくない時期じゃない? 
たいていのことは、「好きっ!(ブチュー)」的な勢いの前に、うやむやにされてゆきがちな段階っていうかさ(笑)。

こばなみ:
でも別れちゃったんですもんね。
ただこの彼、どうなんですかね~?
 なんかセリフとかみてると面倒くさい系というか……。

宇多丸:
5億歩譲って1度目の別れ話は、まぁその彼も、おそらくっていうかほぼ間違いなく恋愛経験はかなり乏しいっぽいですから、それゆえ考えすぎてしまった、ビビってしまったということで、まぁまぁまぁ、しょーもないはしょーもないけど、まーだ同情の余地がなくはない、とは言えたかもしれないですけど……。

でも、2度目のほうはさ、早い話が、「パートナーが問題に直面しているときであっても、自分にそれを受けとめる余裕はない」ってバッサリ突き放しちゃってるわけで。それはすごく問題でしょ。
だって、「他者」とパートナーシップを結ぶような覚悟も資質も、少なくとも現時点の自分にはないって、あらかじめ宣言されてるようなもんだもん。じゃあ、うまく行きっこないね!としか言いようがないじゃん。
そんな人と慌てて結婚しようとしてたこと自体、ちょっと軽率だったんじゃないかなって気が、僕はどうしてもしちゃいます。

そのくせ、「自分が後悔するかもしれない」からって別れの決断も未練がましく引き伸ばしたりして……、なんかホント、どうなのよその男?って感じしかしないんですけど。

恋人同士でも夫婦でもいいけど、「うまく行ってるとき基準」で選んじゃダメっていうかさ、むしろ、お互い調子よくないときにも支え合って、谷間を乗り越えてゆけるかどうかこそが真に問われるべき相性というものであって、その意味ではまさこさんとその彼は、こんな短いスパンでいきなり何度もつまづきまくっちゃってるんだから、普通に考えたらやっぱり、あんまり合ってないってことなんじゃない?って思わざるを得ないですよ。

もっとも、相談文を読む限り、毎回別れ話を切りだすのは彼のほうで、まさこさんはその都度、それなりに誠意ある対応をしようとしてきたんじゃないかとも思います。
「何か問題がある度に私が冷却期間を設けたり、話し合いの場をお膳立てし向き合ってきたつもり」って……、しつこいようだけど、これ全部たった4カ月間のあいだに起きたことだよね?って感じは否めないけど(笑)。
とにかく、まさこさんは別に悪くないし、頑張ってきたほうだと思いますよ。

でも、それに対して彼は、「深刻な状況にならないとこういう話ができない状況が嫌だ」とか、じゃあどのタイミングで話をすれば良かったわけ?っていうような、手前勝手な戯言しか返してくれてないし。ぶっちゃけ、「なに言ってんだお前?」って感じですよ。
そのくせ、前の相談であったような、「孤独に生きてゆくしかない、かもしれないオレ」へのナルシスティックな自己憐憫を、わざわざTwitterなんて人目につく場所に書いたりして、結局は誰かに甘えたくってしょうがないっていう……。
ホント、考えれば考えるほど、器がおちょこすぎて、とてもじゃないけど付き合ってらんないよ!(笑) 
ま、いわゆる第二思春期真っ盛り、って感じじゃないですか?

少なくともいまは、まさこさんに限らず誰が相手だろうが、彼がもうちょっと人間として成長してくれないことには、パートナーシップを築いてゆくとか、まして結婚とか、まず無理!って感じじゃないですかねぇ。

それにしてもこの彼も、なんでそんなに結婚を急ぐのかね?

こばなみ:
歳ったって30歳そこそこですけど、男として身を固めたい!とかあるんですかね~? 
それも自分に酔ってる系の発想かもしれないですけど。

宇多丸:
そうだね。例によって「状態」に憧れてるだけのレベルなのかもね

こばなみ:
まさこさん、「あんなに気が合って一緒にいて安心できる人は友達でも今までいませんでした」って書いてますけど……。

宇多丸:
全然安心できないでしょ! いつ別れ話しだすかわかったもんじゃないんだから!(笑) 
ホント、なにが彼にとっての地雷なのか、もうよくわかんないもんね……。

でもまぁたぶん、さっきも言ったように彼も間違いなく恋愛の経験値はかなり低くって、ほかに選択肢も比較対象も想像できないから、それでとりあえずまさこさんに固執してる、ってところじゃないですかねぇ。これも最近よく出てくる「“この一発”に賭けすぎ」問題というか。
その意味では、まさこさんが彼をふっきれないでいるのと、近いものもあるかもですけど。

ただ、まさこさんのほうはさ、急に「他の人に言い寄られても」なんて話が出てくるくらいで、ご自分が思ってるほどモテ力が低いわけではない可能性もありますよね。

たしかに、彼的にも別に、まさこさんのことを嫌いになって別れ話を持ち出したわけじゃないから、まさこさんに対していまでも未練があるかって言えば、そりゃきっとあるでしょう。
でも彼はやっぱり、あくまで「100%自分に都合がいい範囲でなら、好き」って言ってるだけなんだよね、少なくともいまのところは。

こばなみ:
付き合っていくのも疲れそうですね。

宇多丸:
僕はもう、読んでるだけで疲れてきちゃった(笑)。

こばなみ:
まさこさん、まだまだ若いし、ほかの人と付き合ってもいいと思う!

宇多丸:
客観的に見ればそれ以外の結論はないですよね。
まさこさんにとっては初めての彼氏だし、特にいまのところはまだ、どうしても特別な思いを抱いてしまう、というのもわかるけど、はたから見てると、このわずかな交際期間でさえ、実はロクに気も合ってなきゃ安心もできてないじゃん!としか思えない。

で、もちろんこれは、まさこさんが自分ひとりでいくらグルグル思い悩んだところで、そうサクッとは解消できる問題じゃなくて。
要はやっぱり、「ほかに選択肢も比較対象も想像できない」からこそ、その相手との関係性に依存せざるを得ないような気がしてしまう、ということなわけだから、こばなみの言うとおり、もうちょっとほかの人に対してもオープンな姿勢でいたほうがいいんじゃないかなぁ、とは僕も思いますね。
気持ちが引っ張られないように、しばらく彼のSNSもブロックするくらいでいいと思うけど。

でもまぁ、そうそう理屈どおりにはゆかないのも恋だからねぇ……。
どうしても彼ほど好きな人が現れなかったとしたら、そのときはもう、まさこさん側が覚悟を決めて、彼のおそるべきめんどくささごと受けとめてあげる方向で頑張る、っていうのも、言うまでもなくひとつの選択肢ではある。前も言ったけど、不幸になる権利もある、というかね。
ひょっとしたら彼も、そうこうするうちに少しは成長というか、反省してマシになったりする可能性もゼロじゃないし……、って、そこはあんまり期待しないほうがいいかもだけど(笑)。

僕らから言えるのはこのくらいですかね。
あとは、とは言え大人同士なんだから、自己責任で!


【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2017年10月14日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
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詳しくは
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。




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