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LINEやメッセージ、既読になってるのに返信がこないとイライラします。私はすぐレスしてるのに!【ライムスター宇多丸のお悩み相談室70】


✳️今週のお悩み✳️
既読になっているのに、友達や同僚からメール(FacebookメッセージやLINE含む)の返信がこないと、ついイライラしてしまいます。スタンプの返信とかではなく、旅行の予定とか、聞きたい質問を送っているのに、来ないのでイライラしてしまうんです。私はなるべくすぐレスをするようにしているのに……。これって言って、今後早くしてもらうようにお願いしてもよいのでしょうか?

(みゆき・28歳・大阪府)


宇多丸:
この連載でも過去にSNSをめぐる話って何度か出てきたけど、これまではどっちかって言うと、まさにこういう「常に即レスしろ」的なプレッシャーに対するめんどくささとか、息苦しさが主に問題になっていたのであって、意外とこっちサイドからの言い分っていうのはなかったよね。

【参考記事】

SNSで人間関係が面倒なことに。上手な使い方って……?

★
6人のママ友でLINEのグループトークをしてたけど、実は私以外の5人グループもあって盛り上がってるらしい

僕は何度も言うようにSNSはやってないですけど、メールで仕事上のやりとりを急いでしたいのに思うようにレスがないと、やっぱりついイライラしちゃうことはある。

こばなみ:
友達メールで考えても、ちょっと気持ち、わかるところもありますけどね。明日の飲み会の待ち合わせのことでメールしたのに、なんでこんな簡単な返信なのにすぐ返してくれないのかな、とか。または具合が悪いから返信できないのかな、まさか私なにか怒らせちゃった?とかとか、どんどんよからぬ方向に考えちゃったりするときもあったり。

宇多丸:
でも、僕みたいな電話嫌いからすると、メールとかの利点って、まさにその「こっちの都合のいいときや気が向いたときに返信できる」って部分にあると思うんですけどね。

その点、電話って、ホントぶしつけだと思うよ!
 こっちの都合とかおかまいなしに、リンリンリンリン、「いま出ろ! いま出ろ!」ってさ。
図々しくて、本当に嫌い!

逆に言うとメールとかは、時間差レスが可能だからこそ、こっちも相手側の「さしあたって今」の都合、たとえば「連絡するにはちょっと時間が遅いかな?」とかを電話ほどは気にしないで、気軽に送れるものなわけじゃん、そもそもはさ。

僕に言わせると、そのせっかくの大人な距離感を台無しにするのが、たとえばSNSの既読システムなんじゃないのって思っちゃうけど……。
とにかくさ、ひとことで言えば、当たり前の話だけど、こっちにはこっちの事情があるように、あっちにはあっちの事情があるんだよ!

体調が悪いのかもしれないし、家族がぶっ倒れちゃったのかもしれないし、いままさに家が火事なのかもしれないし……、いや、そんな明らかにのっぴきならない条件じゃなくても、単純に「今はその件のプライオリティがそこまで上に来ていない」ってだけで十分だよ。

百歩譲って仕事の話にしたってさ、「別にあなたとだけ仕事してるわけじゃないし」ってことじゃんよ。
極端な話、「いまは誰にも邪魔されずじっくり鼻くそをほじりたい」とかだって、立派に尊重されるべき「事情」ですよ!

みゆきさんだって、忙しすぎてガチで返信するヒマがないとか、疲れきっててスタンプ返すのが精一杯とか、何かに夢中で携帯を見る間も惜しいとか、そういうときって、あるでしょ?

そこでさ、こっちの状況なんかまるっきりお構いなしに、もっぱら向こうの都合だけで、しかもこっちからすると「それ、どうしても今じゃなきゃダメ?」みたいな件の返事をしつこくせっつかれたりしたら、やっぱりちょっとイラッと来ちゃうんじゃないですか?

こばなみ:
うちの母がまさにそういうタイプなんですよ。世界は自分中心でまわってると言っています(苦笑)。
電話もメールもこっちは働いてるって時間にガンガンきますからね。
で、電話にでないと「出てくださーい」っていう留守電が入ってる。
で、その用件は半年後の法事の日程とか、今話なくても後ででいいじゃん!ってことが多く……。
まぁ娘だからやってるんでしょうけど、こういうこと他の人にもしていたら、確実に嫌われますよ。

宇多丸:
ま、それでも本気で急いでるときは、「いま都合悪いから後でちゃんとレスします」くらい返してくれないかなぁ、とは僕もときどき思っちゃうけどね。
前に「いま何待ちかだけははっきりしてくれ」って言ったけど、それにも近い感じで。

だから、みゆきさんの気持ちもわかります。
そういうときになぜか面白スタンプだけ送ってこられたりしたら、余計に「何それ?(怒)」ってなっちゃうかもしれないし。

なので、かなり親しい相手で、なおかつ本当に緊急の用件なら、「いまはレスできないというレス」だけでもとりあえずくれよ、くらいは伝えてもいい……かな?
当然、あくまで穏やかにね!

ただ、たとえば映画観てる間とかは電源切っちゃってるんだから絶対に返信なんかできないわけだしね。
あるいは、忙しいなか貴重な睡眠を取ってるのかもしれないし、大事な会議中なのかもしれないし、電波の入らない山中とかにいるのかもしれないし……。
つまりなんにせよやっぱり、「常に即レス」を、あんまり当たり前の義務や権利のように思わないほうがいいのは間違いないとも思いますよ。

あ、そうか、映画の上映中にスマホいじってるバカは、そういう「常に即レス」プレッシャーの奴隷なのかもしれないね……って、わざわざ映画館まで来て何してんだよ、ホント。

あと、みゆきさんの相談文でひとつ気になるのは、「私はなるべくすぐレスをするようにしているのに」って部分。
レスの件に限らず、こういう「私は○○してるのに(他の人はしてくれない)」って怒り方は、あんまりしないほうがいいんじゃないかな、と僕は思います。
はっきり言っちゃうと、そういうのを世間では一般に、「押しつけがましい」と表現してるわけで!

「私は募金してるのに!」「私は献血してるのに!」「私は節約してるのに!」「私はボランティアしてるのに!」……それ自体は疑いの余地なく正しいことのように思えるかもしれないけどさ、その「正しさ」を振りかざして、人に強要したりしちゃダメでしょ。

って言うか、「疑いの余地なく正しいことのように思える」ときほど、自己中心的な考えに陥ってしまってないか、気をつけたほうがいいのかもしれないよね、人類全体……。

それに、そう言ってる自分だって、誰かの善意や献身の恩恵を受けながらそれに全然気づいてないってこと、もしくは他の人から実は「あの人、こういうところ無神経だなぁ」って思われてるようなところ、いくらでもあり得るわけだからさ。

要は、なんであれいきなりプンプンする前に、「相手にも事情があるのではないか?」「こっちの都合の押しつけではないか?」「自分だって人のことは言えないのではないか?」と、自分が主張する「正しさ」の根拠を問い直すクセがつけられれば理想、なんでしょうけど……。
人間なかなかそうキレイにはいかないということ含めて、たいがいのことはお互い様!と考えるよう努めるだけでも、心の穏やかさはだいぶ違うんじゃないかと思いますよ。

僕自身、まだまだそんな仙人みたいな境地には程遠いですけど!


【今週のお絵描き】


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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2014年11月15日に公開したものを再編集し、掲載しています。


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<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(隔週金曜日21:00~21:55)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。
※ワンマンライブの新シリーズ
「ライムスターインザハウス」や
その他のライブ情報は
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女子部JAPAN(・v・)こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。現在はコミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノをみんなで一緒に体感する企画を実施。最近はフェムテックなど、女性ならではのコンテンツを発信中。



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