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女性管理職はゼロ……それでも昇りつめたい。こんなときどうする? 《ジェンダーギャップ編-9》

リーダーとして働く女性たちが
実際に体験した、
コミュニケーションや人間関係の課題と
それに対するアクションの
ケーススタディ。

同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

アミさんの会社はザ・男性社会。昇進、昇給とステップアップを考えるにしても、女性管理職がゼロという状況でした。女性だからと差別されているわけではないけれど、前例がないのは、やりづらい……。営業職だったアミさんがとった行動は「とにかく実績を上げる」ことでした。


男女差別があったわけではないけれど、女性管理職の前例がない


男性社会といわれる不動産業界。うちの会社には管理職が約20人いますが、女性は私を入れて2人だけ。
私が初めて管理職になったのが2019年で、課長職に昇進したのですが、社内の女性で初めてのことでした。さらに2024年に所長に昇進したのですが、女性でこの役職に就いたのも私が初めてでした。

だからといって社内で昇進や昇格に関して男女差別があったかといえば、それを感じたことはありませんでした。
ただ前例がないので、会社が女性管理職に対して、どういう考えなのかが未知数。好意的なのか、そうでないのか……。社内での立ち回り方がイマイチわからないという点にはモヤモヤしていました。


成果を出せば、前例も性別も関係なくなる!


会社の考えがわからなくても、営業職なので社内で評価される方法はただひとつ。売上を上げることです。そこに全力投球することでそのモヤモヤを解消していました。

では、その売上をどうやって上げていたのか。常に心がけていたのは、徹底的にお客様に寄り添うことでした。

私が働く営業所は、そのエリアでお店を出店したいお客さまに空き店舗を紹介する専門部署。物件を提案するときには、できるだけニーズを深掘りして、いかに好みのものを提示できるかが勝負でした。お客さまの立場で考えてみても、「ここまで私のことを理解してくれているのか」という提案が出てきたら、やっぱり嬉しいじゃないですか。そういうところから着実に信頼を得ていったのです。

あとはコミュニケーションにおける気遣いも欠かせません。相手が早口なら、話すスピードを合わせたり、メールで連絡してくることが多い人には電話を控えたり。相手ができるだけリラックスできるように、些細なところまで気を配っていました。

結果的に、努力が実を結び、良い成績を残すことができたのが昨年のこと。そのタイミングで、会社に昇級できないかと相談し、今期2024年から所長に昇進したのです。


体力は落ちるから……とあきらめは禁物!今からでも体力はつけられる


営業成績を上げるにしてもそこは男性社会。女性であることを不利に感じたことはないのか? そう聞かれることもありますが、私の答えはノー。もちろん、女性だから「業界のことをわかってない」と言われたり、下心で飲みに誘われたりということはありましたが、だからといって不利に感じたことは一度もありません。

職場のジェンダーギャップにおいては体力の差が話題に上がりますが、入社後に体力作りのためにマラソンを始めて、今ではフルマラソンが走れるくらいに。体力もその辺の男性には負けないくらいの自信がありました(笑)。

そのうえで、改めて大事だと思ったのは、やはり日々の積み重ね。このフルマラソンが良い例ですが、最初は5キロしか走れなくても、それが10キロになり、ハーフになり、やがてフルマラソンを走れるようになる。そして、フルマラソンを走れるくらいにまでなった体力が、今度は営業活動に貢献してくれるのです。

営業活動においても、少額の契約を一生懸命やっていたら、それをきっかけに紹介やリピートで大きな売上が舞い込んでくることがあるんですが、ここ数年、それを特に実感しています。目の前のことにコツコツと取り組むことがいかに大切かを教えてもらった気がします。



イラストレーション:高橋由季











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