「私のことを本当に好きなの?」と聞いたら逆ギレされ別れました。彼は私のこと好きじゃなかったのかな……?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室150】
✳️今週のお悩み✳️
こんにちは。先日、【お悩み141】で彼氏が好きすぎるという相談をした者です。その節はありがとうございました! すごく励みになりました! が、実は別れてしまいました。せっかくアドバイスを頂いたのに、残念な結果になってしまいました。きっかけは、私ばかり連絡をしたりご飯に誘ったりが続き、こちらが連絡しないでいると平気で1週間以上音沙汰なしな状態に疑問を持ち、相手に「私のことを本当に好きなの?」って聞いたことからです。私としては、相手の気持ちを確かめたかったんですが相手は逆ギレしてもういいわ、って感じになってしまいました。あっという間に会計を済ませて一人ですたすた歩いて帰っていきました。もう会うことはなさそうです。そんな相手だった、と割りきるしかないとは思いますが恋愛って難しいですね。先日の投稿を取り上げていただいて嬉しかったので、今日は終わりの報告と、世間の皆さんはどうやって愛情を確かめてるのかなと思って投稿します。愛情の確認って、お互いに連絡を取り合ったり一緒に過ごす時間を幸せだと感じることだと思うのですが、今回の相手からはその兆候は感じられませんでした。 私のこと、初めから好きじゃなかったのでしょうね。
(みゆ・29歳・福岡県)
こばなみ:
今回は事後報告からの相談です。
【お悩み141:6年ぶりにできた彼氏が好きすぎて、男女交際の常識がわからない!】ですよね。
すごくぴったりきたお相手と出会って好きすぎて困っちゃうという、あの素敵だった相談! 男女交際の常識を教えてくださいということで、小手先の恋愛テクニックに走らず、今はそのまんま好き好きモード全開放!でいいんじゃないですか!!って応援メッセージを送りましたが……。
宇多丸:
いや~、残念な結果になってしまいましたね……、ちょっと責任感じちゃいますが。
ただ、今回のケースは、じゃあみゆさんが「引いた」スタンスでいればうまく行ってたかっていうと、そういうわけでもなさそうだもんね。 「連絡しないでいると平気で1週間以上音沙汰なし」ってことなんだから、こっちが押さなきゃ押さないで、なんの反応も返ってこなくなるだけなんだろうしねぇ。
要は「相手が悪かった」ってことじゃないですかね、身もフタもない結論ですけど……。
少なくとも、仮にもそこそこ深い関係になった人から、改めて愛情を確認したいって訴えられたときに、たとえそれをうっとうしく感じたとしてもさ、いきなり逆ギレして帰っちゃうって、まともな大人が取る態度じゃないよね。
女の人からなにかちょっと言い返されるだけで即キャパオーバーになっちゃって、怒りだしたり逃げちゃったりするような、おチョコな男だったのかな……、とにかく、前にいただいた相談文から僕らがイメージしていたほど、理想的な、素敵な男性ってわけじゃなかったっぽいですよね。
なので、「そんな相手だった、と割りきるしかないとは思います」と、ご自身でもおっしゃってる通りなんじゃないですかね。
こばなみ:
で、新たな相談としてみなさんは「どうやって愛情を確かめていますか?」ということですが。
宇多丸:
「確かめる」っていうか……、ホントは、いちいち確認しなくても、日々の気づかいやいたわり合いを通して、お互い自然に確信できてるっていうのが理想だと思いますけどね。
だから、相手が無用な疑念にさいなまれないで済むように、たとえば連絡をこまめにするとか、もちろん愛情表現をはっきりするとか、そういう日常的な積み重ねがやっぱり大事なんだと思いますよ、男女ともに。
こばなみ:
アモーレ! ティアモ!
宇多丸:
みゆさんはまさにそういうのを求めてたんだろうけど、それはまったく間違いじゃないから。
そこへ行くと、今回のメールで描かれる彼像からは、残念ながら、みゆさんに対する思いやりみたいなものが、ほとんど感じられないじゃないですか。 もちろん、みゆさんに異性としての魅力を感じていたことは間違いないでしょうし、そのレベルではたしかに「好き」だったんだろうとも思うけど、さっき言っ たような、お互いを常にケアし合うような関係、すなわち「愛」の領域まで、努力込みで向上させてゆくほどのモチベーションは、ぶっちゃけ持てなかったんでしょう……、その意味で、「初めから“そこまでは”好きじゃなかったのでしょう」とはたしかに言えちゃうかもしれない、悲しいけど。
でもさ、この連載やっててもいつも思うんですけど、恋愛って結局、「なにをどうしようが、ダメなもんはダメ」ってときは、やっぱり厳然としてあるわけじゃん。 だからまず、最低限「どうにかする余地がある相手」と出会うまでのトライ&エラーを繰り返さないことには、なにも始まらないわけですよ、考えてみりゃ当たり前の話なんだけど。 いいパートナーシップを築いていけるかどうかなんてのは、あくまでそこから先の話であって。
なので、押そうが引こうがなにしようが、もともとうまく行くはずもないケース、たとえば、そもそも向こうに気持ちが大してないとか、逆にこっちが実はそんなに好きでもないとか、とにかくそういう、「ダメなもんはダメ」な関係に固執してても、いたずらに時間を浪費するだけで、もっといい人と出会えるかもしれない確率を逆に下げてると思うんだよなぁ。 前も言ったけど、それは単に「ご縁がなかった」ってことだと考えて、反省したりするにしても、あくまで今後、よりマシな縁をたぐりよせるための方策、的なことに集中したほうが絶対いいよ!
こばなみ:
みゆさんの今回の場合は、それが早めにわかって良かったねってこと?
宇多丸:
うん、そう思います。というか、そう思おうよ、という話。
あのときこうしておけば彼の気持ちをつなぎとめられたのに………的な可能性は、その彼の場合、そもそもほぼなかったっぽいんだからさ。だったらもう、いつまでもウジウジ思い悩んでてもしょうがないじゃん! みゆさんのまっすぐな思いを受けとめきれなかった、ヤツの器のおチョコっぷりが悪いんだよ!(笑)
ちなみにさ、女性のみなさんに聞きたいんですが、この彼みたいに、ある日突然わりとサイテーな態度を取られたりした場合、「あ、こんな程度のヤツだったのか」って感じで、こちらもいきなり気持ちが冷めちゃったりするもの? それとも、ムカつきつつもやっぱり、好き!って気持ちはそう簡単に断ち切れないものかな。
こばなみ:
いくつか女子の声、集めてみましたよ。
など、きっぱり冷めるって人は80人中21人でした。
なかには、
なんてエピソードも! これは冷めるわ~!!
あとの多くは、
などのモヤモヤ派。
なかには、
という方も。
相手にももちろんよるとは思うんですけど、たしかにそんなにすぐは嫌いになれないんじゃないかな。
前にも言いましたけど私自身は「相手の嫌なところを10個書き出す」作戦で、思いを断ち切るようがんばっています!
宇多丸:
その作戦もあったね(笑)。
みゆさんもぜひ一度やってみてください!
とにかく僕はね、今回の一件で、みゆさんにあんまり自分を責めてほしくないんですよ。 たしかにひょっとしたら、相手のペースを見ずにグイグイ行きすぎてしまった部分も、ときにはあったりしたのかもしれないけど……、それはでも、ただただ今後、どなたかとお付き合いする際の反省に生かしてゆけばいいだけのことじゃないの。「あ、夜中に酔っ払って電話するのはさすがにもうやめとこ」とか、その程度のことで。
それよりもやっぱり、そこまで好き好き大好き!になれる相手を久々に見つけられた、ってことのほうが、みゆさんにとってはずっと大事な経験だったはずですよ。 それ自体はムチャクチャ素晴らしいことなんだから、今回結果としてちょっとうまく行かなかったからって、前々回のこばなみの例じゃないけど、「もう誰も愛さない!」的に全リセットしちゃうのだけはホント、やめてほしいんですよね。
だって、そのまんまこっちが素直に気持ちをぶつけるのをやめちゃうと、大きくヘタ打つことも減る代わり、仮に目の前にそれを優しくキャッチしてくれるはずの人が現れても、都合よく向こうからいいタマ投げてきてくれたりしない限り、すれ違って終わり、の確率大になっちゃうじゃん! いつの間にか「傷つかないように気をつけること」が目的化しちゃってる本末転倒感というか……、いや、私はそれでいいんだ!って生き方も当然アリなんだけどね。
もちろん、これは誰もが覚悟しておかなきゃならないことだけど、いくら学習とトライ&エラーを重ねても、一生それほどいい目が出ないまま、ということだって最悪ありうるはありうる。 でも、その恐怖に打ち勝つためには、やっぱり、数打ってくしかないんだよ。臆病になってなにもしなかったら、そっちがどんどん現実になっていくだけなんだもん。
おそらく、今のみゆさんはさ、6年ぶりにここまで好きになれる人ができたってこともあって、希少な相手を見つけた!という感覚が強いかもしれないけど。 でも、それだって単なる錯覚かもしれないんだからね。
こばなみ:
わかる! 久しぶりだとこれぞご縁!と絶対逃しちゃいけないって気持ちになって妙に執着しちゃうんですよね。私もありますあります。でもそこにこだわってると、結局は無理して付き合っていたり……。
宇多丸:
そうそう、どう考えても、これで最後ってわけじゃないんだから。
それこそ意外とすぐ、もっと全然いい人と出会っちゃって、しかも前回のケースで「人を好きになるコツ」もある程度つかんでるから今度はもろもろがよりスムースに行っちゃって、振り返ってみれば、「あのままアイツと付き合い続けてたらこのチャンスは逃してたわけだから、危ねぇ危ねぇ」ってことになったりとか……、いや、たしかに取らぬ狸の皮算用なんだけど、でも間違いなく、心をオープンにしておけば、実際こうなっていく確率も確実に上がっていくわけだからさ。
ということで、またぜひ、それからどうなったか、再度の事後報告をいただきたいですね。
今度は良い知らせであることをお祈りしております……!
【今週のお絵描き】
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この記事は、女子部JAPAN公式WEBで2016年6月11日に公開したものを再編集し、掲載しています。