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各々の主張や情報が錯綜し、現場が荒れてきた! こんなとき、どうする? 《チームマネジメント編-13》

リーダーとして働く女性たちが
実際に体験した、
コミュニケーションや人間関係の課題と
それに対するアクションの
ケーススタディ。

同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

訪問介護の現場では、利用者さんとそのご家族、そして介護スタッフが、同じ方向を見て進めていくのが理想。でも、誰しも思いや主張があるもので、そう簡単にはいかないこともしばしば。混乱する現場を取りまとめなくてはならなかったジュリさん。リーダーは柔軟性を持つことが大事だと、つくづく実感したそうです。


思っている以上に予期せぬ問題が起こってしまうのが、現場というもの


介護事業所の管理者という立場に就いていた頃のことです。

利用者さんを支援する際は、計画書や手順書を準備します。本来は管理者やサービス提供責任者がその手順書や計画内容を把握していて、利用者さんにも共有しながら、それにならって介護スタッフと支援に取り組んでいきます。
でも、利用者さんのご家族や、介護スタッフが変えてしまうことがあったんです。管理者やサービス提供責任者が知らないうちに。

そうすると、現場が荒れてくるというか、人間関係もうまくいかなくなってくるんですよ。
「あの人がこう言ってた」
「こっちはこう言ったのに」
「でも手順書はこうなのに」
そんな言葉が行き交うようになると、ご家族も巻き込んで、「一体どうなっているの!?」と複雑化。

こういうことが同じ現場で二度もあったときは、利用者さん側からも介護スタッフからも苦情ともいえるような連絡がバンバン来て。
私も寝られなくなりました。

とりあえず、携わっている介護スタッフから話を聞いたりしていたんですけれども、その聞き取りが不十分だった部分もあって、最終的には現場を取りまとめている私がマネジメントできていなかったのかなと。
上司からもガツンとお叱りをいただきました……。


筋を通すための順序を守り、自分も現場に入って仕切り直し!


そこで、一番大事なことってなんだろう? 順番を間違えてはいけないぞ!と思って、仕切り直したんです。

まずは利用者さんとそのご家族にきちんとお話をしに行きました。
「今後はこういう方向性で支援に入らせていただきます」と。
「そのための手順書や計画書があるので、ここを統一して支援を進めることで、より安全に安心して生活していただけるような流れになるはずです」とご説明しました。

その内容をしっかり理解していただいた後で、介護スタッフに共有。
さらに、1、2週間は私も一緒に支援に入りながら、一連の流れを相互確認しました。

そのうえで「よし、もうこのタイミングで大丈夫だ」と思ったときに、私は抜けて、元のメンバーにおまかせするようにしたんです。そこからはその現場は落ち着いた様子になり、ほっとしました。


リーダーには、問題に直面したときに対応できる柔軟性が必要だと思う


私も現場からスタートして、だんだんとキャリアアップをしてきたんですが、どの立場でも、トラブル対応や状況の変化、新しい取り組みなど、次々に課題が出てきます。
その都度、人をまとめる立場であればあるほど、いろいろなことに適宜対応できるような柔軟性を持っていないといけないなと思うようになりました。

どんな状況においても「利用者さんがより良い生活を送るためのサポートをする」という目的はみんな同じです。
メンバー一人ひとりの思いや道筋をきちんと見ていきながら、間違ったときは修正できるようなアドバイスをして、困難に直面していたら手助けして。それをくり返しながら、いいチームづくりがしていけたらと思っています。




イラストレーション:高橋由季










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