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発言しても、「女性の意見」という参考程度。会議でまともに取り合ってもらえない! こんなとき、どうする? 《ジェンダーギャップ編-5》

リーダーとして仕事をしていれば、必ずぶつかる
コミュニケーションや人間関係の問題。
相対する人も違えば、状況もさまざまで、
「こうすれば正解」がないのが
難しいところです。

そこで、
リーダーとして働く女性が実際に体験した
コミュニケーションの課題と
それに対するアクションを
ケーススタディとして紹介。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

社内でリーダーが集まる会議となると男性ばかり。そこに参加したチサコさんは、自分自身の意見を求められていると感じることはありませんでした。求められるのは、参考程度の“女性の”意見。管理職になりたての頃はそういうものかと飲み込んでしまっていたけれど、何年経っても好転せぬ状況の今、意思決定の場に女性の数を増やすべきだと強く感じるようになったと言います。


会議で私に求められるのは “全女性”を代表する意見。でも、それも受け入れてしまっていた時代


管理職になったのは2009年頃。当時は、会議に出ても女性は私だけでした。偉そうにしている男性陣のなかに、私1人。何かを発言しても、まったく取り合ってもらえませんでした。

「女性にもちょっと聞いてみたい」「女性からしてみるとどう?」などと言われて。「赤がいい?青がいい?」みたいなことも聞かれたりしました。私1人に聞いただけで「女性の意見も取り入れました」って言いたいだけなんですよね。

でも、そのときはまだ私も肝が小さかったので、「はい」「そうですね」と、特に反抗もせずに、仕方がないか、と雰囲気にのまれてしまっていました。


女性活躍と叫ばれてはいるが、今でもさほど状況は変わっていない


そんな時代から15年くらい経ち、“女性活躍”なんてみんな口では言っていますけど、今でもやっぱり意思決定のための会議の場などには女性がほとんどいません。うちの会社なら、社員の男女比率からいくと、10人の会議には女性が3人はいてもいいはずなんですけどね。

何年か前、上司だった女性の部長に付いて会議に出たことがあるんです。各部長が集まる会議なんですが、そこに女性部長は彼女1人だけでした。
そこで「私はこう思う!」って一生懸命話しても、男性陣からは「ふーん」「はい、次行こう」と、にべもない反応。私からすると、彼女の言っていることは女性の目から見ると大事なことなんですよ。それなのに、ちっとも関心を持たれず流されていて。

たぶん、あの場所に女性が何人かいたら、「私もそう思う」と違う方向に持っていけるだろうと思いました。男性9人に対して女性1人では、やはり共感を得るのは至難の業ですよ。

”女性が言うことだから聞かない”という性差別的な考えの男性もいると思いますが、そもそも視点がまったく違うから理解することができない、というパターンもあると思います。あとは、“女性より偉いと思いたい”という潜在意識がある男性もまだまだ多いと感じます。

あの会議の様子を目の当たりにして、自分の意見を伝え納得させることは容易ではないと痛感したのはもちろん、まず、大前提として、本気で女性の数を増やさないといけないなと感じました。


現状を打破するために。まずは女性同士で共感し合い、互いに意識を高めていきたい


私自身の意識の変化は、数年前に参加していたとある女性活躍推進プログラムでの経験によるものも大きいです。そこには弁がたつ女性が多く集まっていて、自分の思うことをきちんとロジカルに説明できる人たちばかりで。話し方や資料を参考にして、私もしっかりと意見が言えるようになろうと必死で勉強しました。

これからを担う若い社員にも同じような経験をしてほしいと思っているけれど、会社が女性だけを研修に行かせるのを嫌がるんですよね。こういうことに限って、男女関係ないとか都合よく言うんです。取り立てて女性だけに機会を与える必要はない、と。

でも、男性社会で悩んだり悔しい思いをしているなかでの、女性同士の交流は、共感しあったり、時には奮い立たせてもらったり、本当に意義があると思います。そこで前向きに進める力を生み出せたら、意思決定の場に女性が少ないというこの現状を打破するきっかけが、きっとつかめると思うんです。



イラストレーション:高橋由季







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