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強みを生かして働きたいのに、女性であるだけで仕事内容を絞られてしまう。こんなとき、どうする? 《ジェンダーギャップ編-4》

リーダーとして仕事をしていれば、必ずぶつかる
コミュニケーションや人間関係の問題。
相対する人も違えば、状況もさまざまで、
「こうすれば正解」がないのが
難しいところです。

そこで、
リーダーとして働く女性が実際に体験した
コミュニケーションの課題と
それに対するアクションを
ケーススタディとして紹介。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

今回は、長年技術職として働くなぎささんが直面した、ジェンダーバイアスの壁について。部署異動をした際、キャリアやスキルではなく性別で判断され、仕事内容を決めつけられてしまったそう。ダイバーマネジメントの知識は広まっていても定着は難しいということを身をもって感じたといいます。なぎささんが考える、それぞれが強みを生かして働くための考え方もご紹介します。

ニックネーム:なぎさ(40代)
◆職種:建設業 技術職
◆部下の人数:2人
入社から10年以上建物の設計の業務に携わった後、5年間は人事部で女性活躍推進や採用を担当。その後、技術開発部へ異動し、チームリーダーに。業務の傍ら、部下や女性社員の意見をまとめて会社へ働きかけるようなバイタリティあふれる行動派で、周囲からの信頼も厚い。


別部署に異動した途端、男性上司から任されるのは単純作業ばかり……


バリバリ理系の私は、10年以上技術職として働いていました。数年前に社内の女性活躍推進の担当者として人事部に異動し、採用なども担当していましたが、現在は技術開発部に所属しています。

今でこそ、チームを率いるリーダーという役割を任せていただいていますが、異動してきた直後は、上司の指示のもとで会議の招集やエクセルでのデータ整理など、庶務的な仕事ばかりさせられていたんです。技術職として配属されているのに!?と、戸惑ってしまいました。

配属当初に何ができるかを問われるような面談などもありませんでした。私の後に入ってきた若い男性は技術職としての仕事を任されていたので、私は「女性」という枠で見られていたのだなと思いました。

私に仕事を頼んできた上司は、ほぼ初対面の方だったこともあり、私がどういうことができる人かは知らないまま、「女性=補助」という彼の中での常識で仕事を割り振っていたのだと思います。


背景を探れば、上司のジェンダーバイアスも頭ごなしに否定できない


そもそも私が所属する会社は、男性が多くの割合を占めていて、技術職の女性というのは一桁の割合なんです。さらに女性管理職は2%と、圧倒的に男性の方が多い割合となっています。職場にポツンと一人だけ女性がいることもよくあります。

私が人事部にいたころ、ダイバーシティマネジメント研修を実施して「無意識のバイアスがあるのは仕方がないけれど、無意識のバイアスを意識化して、自分の判断にバイアスが影響していないかを確認しよう」ということを社員たちに伝えていました。研修を受けた人たちは理解してくれて、ロールプレイなども体験してもらったのですが、実務にまで結びつけるのは本当に難しいんですね。刺激にはなっても、それだけでは定着はしないんだなと、自分自身の体験で現状をリアルに突きつけられました。

専門的な仕事を振ってもらえるように自分でも何か行動しなければと思い、周囲を巻き込んでお互いの専門分野を紹介しあう場づくりを提案。技術職として自分ができることをアピールすることで、私自身の状況は改善されました。


「女性」といって一括りにはできない。主語を“自分”にして、私たちの居場所を増やしていきたい


私も「女性」という枠で見られていることを思い知らされたものの、過去を振り返ってみると、もっと上の世代の女性は、男性社員に対して「女性もきちんと仕事ができる」ことを示して、「対等な立場で仕事ができる」状況にまで引き上げてくれたんですよね。

今、私たちが男性と同じ土俵に立てるのは、50代や60代、それ以上の女性の先輩たちのおかげです。その恩恵に預かっているからこそ、私も下の年代が働きやすい環境をつくりたいと思って働いています。

女性活躍やダイバーシティの推進など、会社でもさまざまな取り組みをしていますが、結局、女性は「それぞれの形で普通に働きたい」だけなのだと思います。

男性から「女性はどうしたいの」と聞かれることもありますが、私は女性というひとまとまりではなく、個人として見てもらいたいと思っているので、「私」を主語にして伝えるようにしています。後輩にも、女性代表ではないのだから自分自身の考えを話していいんだよ、と伝えています。

とはいえ、女性は、妊娠・出産などで仕事が思うようにできない時期が出てきます。私はシングルで子どももいないのでバリバリ働いてきましたが、子育て中の人も肩身の狭い思いをせず、気持ちよく働けるような職場にしたいと思っています。

当事者が「こうしてほしい」と言うと権利の主張みたいに捉えられてしまうこともあるけれど、家庭を持っていない私が彼女たちから話を聞いて会社に伝えることで、理解を得られることもあるんです。実際に、ママ社員のランチ会に呼んでもらって、意見を集約して人事に持って行ったことも。

「女性」であり、キャリアの長い私だからこそ、できることがある。若い社員たちには、ぜひ私をうまく利用してもらって(笑)、それぞれがもっと働きやすく自分を活かせる職場をつくっていかれればいいなと思っています。



イラストレーション:高橋由季








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