「部下との仕事観にギャップが……」「視点が違うメンバーとの交点は?」個性の違うメンバーをマネジメントするヒント
管理職をやっていくなかで、誰もが胸に抱える大小さまざまなモヤモヤ。一口に「女性管理職」といっても立場や状況は千差万別、正解がひとつではないからこそ、なかなかスッキリ解決なんかしないですよね。
今回は、企業のダイバーシティ経営を支援する株式会社アワシャーレ代表取締役であり女性のキャリアに詳しい小嶋 美代子さんに、F30プロジェクトの取材やアンケートでよく耳にする“女性管理職モヤモヤ”を投げかけました。
Part.2は、「チームワーク」について。世代やジェンダー、仕事に対する考え方など、“個性の違い”をまとめていくにはどうすればいいでしょうか。みなさんがそれぞれに答えを探すヒントとなりますように。
<あるあるモヤモヤ>
無理してがんばるのはチームの中で自分だけ
■小嶋さんのアドバイス■
自分の管理進行責任を踏まえて部下に接してみる
これは“リーダーシップ”というより“マネジメント”の問題だと思います。絶対に今日やらないといけないという仕事は当然ありますよね。でも、そのときになって突然“就業時間を過ぎたら帰るのが当たり前”という部下が出てくるわけじゃないと思うので、それも含めて計算しておかないと。
この部下はね、帰るんですよ。それは今日に始まったことではなく、ずっと信号を出していて、“帰る”ということを全身でアピールしているはずなんです。だから、“当日この部下はいない”と思って段取りするしかない、もうそういう時代になっています。
マネジメントの視点で言うと、帰ってしまう部下の問題ではなくて、当日に部下が帰れないような状況を作った相談者さんの問題ですね。さらに厳しいことを言うと、当日に急な問題が起こったときに、部下が自らの時間を返上して「残ります!」というムードじゃなくて、「残らなければいけない……」というムードを作っちゃったのは相談者さんですから。そこを踏まえた上で、「なんとか、今日は残業してほしい」と言えばだいぶ違うと思いますよ。それから、“この業務は本当に今日終わらせないといけないのかな?”と考えることもマネージャーの仕事だと思います。
<あるあるモヤモヤ>
あれ、チームのメンバーと視点が違う!?
■小嶋さんのアドバイス■
たまに昔の自分に戻って“まわりの視点”を再確認
今のままでも充分に機能していると思います。世のリーダーは、こんな悩みを持ちたいと思いますよ。このケースは、場面で切ったときに、自分と部下で違う方向を向いているように見えるけど、実は同じ方向を向いているのではないでしょうか。
相談者さんは長期的に物事を見ているけれど、過去には短期的で近視眼的なときがあったと思うんですね。でも、長期的に見ることが仕事になると、それが当たり前になって、近視眼的な人の視点を忘れてしまい、みんなが見ているものが理解できなくなってしまう。だから時々、昔の自分に戻ることをおすすめします。
メンバーのことが理解できなくなったときに、“この人たちの言っていることがわからないくらいに私は成長したんだな”と思って、「今みんなは何を見ているの?」と聞いてみるといいと思います。自分のステージが上がって見えるものが違っただけで、チームとしては同じ方向を見ているのかもしれませんよ。
<お話を伺った人>
株式会社アワシャーレ
代表取締役
小嶋 美代子さん