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キャリアのブランクも怖いし、無理して会社にしがみつくのも辛い。こんなときどうする?  《ライフステージ編-6》

リーダーとして働く女性たちが
実際に体験した、
コミュニケーションや人間関係の課題と
それに対するアクションの
ケーススタディ。

同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

13年のキャリアのブランク。それにまったく臆すことなく仕事復帰したアミさん。キャリアと子育てを両立するのが一般的な今、子育てに全力で取り組んできたアミさんが思うこととは?


13年のブランクを経て仕事復帰し、出世の道へ


子育てが一段落した後、13年のブランクがあってからの仕事復帰。それが36歳のときでした。

自宅近くでパートを探していて、たまたま縁があった不動産会社で社長秘書をやることに。これが不動産業界に足を踏み入れるきっかけになったわけですが、そこから40歳で今の会社に正社員として入社。
もともとは事務職として働いていましたが、営業職に転身し、現在は入社16年目で営業所の所長を務めています。しかもうちの会社では初の女性所長です。

そんなにブランクがあって復帰? そこから男性社会と言われる不動産業界で出世!? 一体どうやって? そう驚かれることが多いのですが、私からすると全てが結果論……ただ、“目の前のことにがむしゃらに取り組んでいた”ことだけは一貫して言えるかもしれません。


目の前のことを一生懸命やり切れば怖いものがなくなる


不動産会社の社長秘書を始めたとき、まずは宅建(宅地建物取引士)をとりました。実務には必要ないですし、この業界にいる人でも実は持っていない人が多い資格です。ただ私の場合は、まったく未経験の業界でしかも大きなブランク付き……知識だけはつけておこうと猛勉強しました。
日中は育児があったので、夜中に勉強してなんとか合格。その資格が今になって役に立つ場面もあり、あのとき必死に頑張って良かったなと思います

そして、その後、離婚。シングルマザーになり、それからは子どものために必死です。
不動産業界でやっていくのなら都内の会社に転職した方が給料もキャリアもアップできると聞き、その道へ。営業職に転身したのも、その方が昇給、昇進と伸び代があるので、社長に直談判しました。

いかに早く会社に一人前の社員として認めてもらえるか。私の心にあったのはそれだけ。そもそも40歳という年齢からのスタートで遅れをとっていたし、息子が大学に進学するタイミングでとにかく稼ぎたい気持ちも強かったんです。管理職になろうとキャリアパスを描いていたというより、とにかく結果を出そうと奮闘していました。

がむしゃらに走っているからか、ブランクを引け目に感じたり、不安に思う気持ちは皆無。それに実は仕事復帰するときもまったく怖くなかったんです。
それは子育ても同様に全力でやり切ったから。
目の前のことを一生懸命やれば、きっと大丈夫という確信があったのだと思います。


子育てと仕事の両立が当たり前の時代に伝えたいメッセージ


そして、こんな私だからこそ次の世代の女性たちに伝えたいことがあるんです。

それは、仕事と子育てを両立させるのが一般的な今の時代でも、一度仕事を辞めて、子育てに集中する選択肢もあるんだよ、ということ。

女性のライフステージにおける出産と子育ては、男性に比べるとどうしても比重が大きいもの。だからこそ自分に合った選択をしなければいけないのですが、子育てをしているときは子どもが最優先。それは間違いありません。
子育てに絞ればそのぶん、1分1秒でも子どもといる時間を作ることもできますし、キャリアをお休みしただけのリターンも必ず得られると思うんです。

私が出産した時代は今と違い、結婚と出産を機に仕事を辞めるのが当たり前という風潮。特に疑問を持たずに仕事を辞めて、子育てをしてきました。

なので、冒頭でもお伝えした通り、キャリアアップも女性リーダーとして働いているのも、私の場合は、置かれた境遇によるところがほとんど。……ただ、そのうえで学んだことは、ゼロからキャリアの畑を耕すことになっても、一生懸命耕せば必ず芽が出ることです。たとえ、それが40歳からのスタートだったとしても

もし無理して会社にしがみついている人や、仕事と子育ての両立に疲弊している人がいたら、また違った選択肢にも目を向けてほしいなと思います。



イラストレーション:高橋由季












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