見出し画像

誠実だけどドキドキしないAさんにアプローチされているけれど、気分屋で刺激的なBさんに片想い中。BさんはあきらめてAさんにすべき?【ライムスター宇多丸のお悩み相談室478】


✳️今週のお悩み✳️
私にアプローチしてくる男性(Aさん)がいるのですが、脈なしな片想い中の男性(Bさん)を忘れられず応えられずにいます。二人とも職場の人で部署は違います。

Aさんは誠実で安定感がありますが奥手で慎重な人で、異性としてドキドキはしません。
Bさんは下ネタやブラックジョークが多く、人の好き嫌いも激しく天邪鬼で気分屋で振り回されそうですが刺激的で異性として好きです。

Bさんを毎日考えてしまうくらい好きでよく飲みに誘っていますが、これまでの言動に脈なしを感じており告白できずにいます。あきらめてアプローチしてくる彼に行けば結婚前提でお付き合いすることになりそうですが、恋愛経験が無いためもっと遊びたい気持ちもあります。結婚するなら自分を好いてくれる安心できる人とよく聞きますが、ドキドキしない人と付き合ってから徐々に好きになれるのか? また、片想い中の彼が頭から離れずに執着してしまいます。明らかに片想い中の彼と付き合えても幸せになれないだろうと思いながらもそばにいたい、一度は付き合いたいと思ってしまいます。26歳なのでそんなこと言ってられないかもしれませんが、振り向いてくれないBさんはあきらめてAさんに行った方が良いでしょうか?(ぴよ・26歳・京都府・会社員)



まぁぶっちゃけ、昔からわりとよく聞く構造の話ではありますよね。
真面目だけどおもしろみに欠ける人より、ダメなんだろうなとは思いつつ、よりドキドキさせてくれるちょいワル男のほうに惹かれてしまう、という。

こばなみはどうですか? こういう気持ちわかる?


これ、若いときはわかります。やっぱ刺激が欲しい!みたいな。
でも今の私はBさんは無理。ドキドキしたくないし、穏やかに暮らしたいです(笑)。


ちなみに、ちょっと水を差すようで申し訳ないですけど、つまるところ人として不安定ゆえ周囲に与えがちなドキドキと、恋愛感情から生じるドキドキ、なんとなく同じものとして扱っちゃってるようにも感じるんですけど、それでいいんですか?
正直、いわゆる吊り橋効果そのものな話というか、錯覚なんじゃないのそれ?って感じがどうしてもしてしまうんですけど。


確かに!

恋愛=ドキドキなのかなっていう疑問は常々ありましたが……。


加えてBさんに関しては、今のところこっちの片思い状態であるがゆえの、「手に入らなそうだから価値あるものに見える」効果もあるかもしれないし。

そもそも、その二人の二択しかないという、問題設定自体が間違っている、という可能性は考えなくてもいいんですかね。
要は、ちゃんと好きになれて真面目でもあるっていう人、普通にほかにもいない?っていう(笑)。

そりゃ言うまでもなく、どんな人でも長所短所があるものではあるわけだけど……それにしたって、お互い貴重な時間やエネルギーを使うわけですから、もうちょい納得度が高い相手との出会いを目指せばいいのにな、なんでこんなに焦って狭い選択肢から決めようとしてるのかな、とは正直思っちゃいます。

まぁ「26歳なのでそんなこと言ってられない」と書かれているので、ひょっとしたらぴよさんなりの人生設計やタイムリミット感みたいなものがあるのかもしれないし、だったらまぁ止めはしませんが、ってことではあるけれども。
ただ、我々から見ると、いやあなたまだまだめっちゃ若いし、その人生観だってひょっとしたらただの思い込みなのかもしれないよ?とは、やっぱり言ってあげたくなっちゃいますよね。


ぴよさん、もしかして考えが固まっているのだとしたら、二択構造を疑問に思うっていうのは、ハッとするかもですね。


これ、まずAさんに関しては、単純に恋愛感情がないってことなんですよね?
もちろん、そんなのなくても……というかむしろそこが出発点じゃないからこそかもしれないけど、とにかく同居や結婚生活のパートナーとしてはぜんぜんうまく行ってるっていうケースも、当たり前ですけどめちゃくちゃ多いわけですから、だからダメとは一概には言えないけども……。

ただなんにせよ、お互いに対する敬意とか信頼が、しっかりあってこそなのは間違いないわけじゃないですか、継続的なパートナーシップって。

その意味で、いつもこういう話のときに思うのは、じつは「正直ぜんぜんタイプじゃないし一緒にいておもしろみも感じないけど、結婚するならまぁこういう手堅いところで手を打っとくべきなんでしょうね……」みたいな温度の人とわざわざ貴重な人生の時間を費やすことになる、そのお相手の人が可哀想だな、ということで……。
この話の場合はAさんですけど、彼だって、もっとちゃんと彼の良いところを積極的に愛してくれる人と、これから出会えたかもしれないのにさ。
それでも当人同士がいいならすべて余計なお世話でしかないんだけど……あくまで僕個人の倫理としては、仮にもパートナーである人を内心であれ本質的に軽んじるようなスタンスを、どうしても推奨はしたくないんですよね。

いっぼうのBさんですけど、気分の上下が激しいのも過剰に露悪的なのも、とくに前者はホントに褒められたもんじゃないと思いますけど、僕から見ると要は、まだガキだからじゃないの?(笑)って感じがしなくもない。
20代後半から30代前半男の悪イキリ、あるある~!って感じよ、マジで。
だから、Bさんだっていつまでそういう雰囲気の人なのかは、わからない。
言っときますけど、見た目だって変わるからね!


書いてないけど、見た目も惹かれるものが、なにかきっとありそうですよね。


僕個人の考えとしては、やっぱり人柄以上に大事なことはないと思いますけどね、パートナーの条件として。


人柄といえば、その人ひどくない!?っていう人と付き合っちゃう人もいるじゃないですか。

なんかモラハラっぽい彼にいつも文句を言ってるから、そんなん付き合うのやめたらいいじゃんって言うんだけど、でも好きなんですよーって。

惚気かい!


なんで好きなの?


顔。あと、そこまではっきりは言わないけど、多分カラダ的なことなのでは、と。

どう考えてもひどいことを言われてるのに、結局それもトータルで好きなのかなって。


まぁ、好みは人それぞれだし、人生の優先順位もその人の勝手、なんなら「間違える権利」も人にはあるわけだから、繰り返しになりますが当人同士がそれでいいならべつに、仕方ないんじゃないですかね……たぶん。

そう考えると、ぴよさんは今の時点ではBさんが気になって気になってしょうがないんだから、さっさともっと直接的に、当たって砕けてみりゃいいじゃん、というだけの話とも言える気がしますが。

要するにさ、「恋愛経験が無いためもっと遊びたい」っていう、やっぱりここがじつは一番肝心な、根本なんじゃないですかね。

だとしたら、そんな思いを抱えたままAさんと渋々付き合っても、のちのち絶対後悔が残りそうじゃない? 
当然、さっき言った失礼だろ問題もあるし、そっちはマジおすすめしたくない、個人的には。

それよりも、まだ26歳、とりあえずは自分の感情や欲望を素直に解放して、大暴れしてみりゃいいじゃん!と思いますけどね。
で、ちょい痛い目でも見て、学べばいいじゃん(笑)。
経験を積めば、パートナー選びの精度もあがりますよ、きっと。

いずれにせよ、わざわざ根拠の薄い二択に自分を押し込めるなど、愚の骨頂!


しかも、Aさんに行けば結婚前提でお付き合いすることになりそうと言ってますもんね。
そうなんだぁ本当に?とは思っちゃいましたけども。


まぁそれだけ真面目な方ではあるんでしょう。
しかし、だとしたら、なおさら!
今みたいなテンションで安易にオッケーなどするべきじゃないと、僕はわりとはっきり思うけどなぁ。


まわりに結婚する人が多くて焦ってるんですかね?


なるほどたしかにそうなのかもしれないけど……そいつらもね、結構な率で、離婚するんだよ!(笑)
数字が示してるんだから!

ということで改めて結論を言えば、じつは気乗りしないならAさんと慌てて交際することはまったくない、というか誠意があるならお断りするべきじゃないかと思うし、なんならBさんに固執する必要もべつになくて、「もっと遊びたい」ってそれ自体ごもっともな欲望に忠実に、悔いが残らないよう、もっとガンガンあちこちに網かけてきゃいいじゃん!というのが、僕の意見。
まわりがどうとか関係ねぇ! 


ですね、おー! ぴよさんの思うまま行けるよう、祈っております。

そして恋愛に限らずですが、二択思考って陥ってしまいがちだなって私自身もハッとさせられました。
思考、広げていこう~っと!



【今週のお絵描き】

画・宇多丸


↓↓↓ バックナンバーもチェック! ↓↓↓



【全国書店やAmazonで発売中】
「ライムスター宇多丸のお悩み相談室」、ついに書籍化!! 幻冬舎より発売中!
執拗に、フェアに、意外と優しく、時に興奮しながら、とことん考え答えた人生相談34!
★詳しくはこちら


<プロフィール>

ライムスター・宇多丸
日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。TBSラジオ「アフター6ジャンクション2」(毎週月曜日から木曜日22:00-23:55の生放送)をはじめ、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。

アルバム『Open The Window』リリースツアー大団円、豪華ゲストと新たな境地に挑んだ17年ぶりの武道館公演が映像化!
Live Blu-ray / DVD『King of Stage Vol. 15 Open The Window Release Tour 2023–2024 at 日本武道館』発売中!! 詳しくはこちら


こばなみ
2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行し、「iPhone女子部」を結成。2015年からは「女子部JAPAN」として、Webでのコンテンツ発信とイベントを企画・実施。2022年からは「F30プロジェクト」と題して、リーダーとして働く女性の生声を取材し、noteで発信。女性活躍推進など、"女性"という枕詞がなくなる世の中を目指している。



最後まで読んでいただきありがとうございます!! 新着記事はX(Twitter)でお知らせしています☞