「ボーイズクラブにうんざり……後輩世代が気持ちよく働ける職場にしたい」古い企業体質での女性管理職の立ち回り方とは?
管理職をやっていくなかで、誰もが胸に抱える大小さまざまなモヤモヤ。一口に「女性管理職」といっても立場や状況は千差万別、正解がひとつではないからこそ、なかなかスッキリ解決なんかしないですよね。
今回は、企業のダイバーシティ経営を支援する株式会社アワシャーレ代表取締役であり女性のキャリアに詳しい小嶋 美代子さんに、F30プロジェクトの取材やアンケートでよく耳にする“女性管理職モヤモヤ”を投げかけました。
Part.4は、「男性優位の企業体質」について。日本における2023年のジェンダーギャップ指数は過去最低の125位、主要先進国の中で最下位です。依然として世にはびこる“男性優位社会”の中で、女性にとって風通しのいい環境を作るには? みなさんがそれぞれに答えを探すヒントとなりますように。
>>Part 1「心構え編」はこちら
>>Part 2「チームマネジメント編」はこちら
>>Part 3「部下とのかかわり編」はこちら
<あるあるモヤモヤ>
「オールドボーイズネットワーク」がしんどい…
■小嶋さんのアドバイス■
古い体質を変えたいときこそ女性活躍推進のチャンス
これは、「オールドボーイズネットワーク(男性中心の組織文化)」そのものですね。でも、たぶん変わらないですよ、脈々と引き継がれていきます。今の状況のままで女性の役職者や管理職が生まれたとしても、「名誉男性(男尊女卑的な価値観に染まっている女性)」と呼ばれる人たちなんじゃないかなと思います。男性が作ったクラブのしきたりを知って、忖度して働ける女性なので、ボーイズクラブの補助部員みたいな感じですよね。
このままだと、いずれ不祥事が起きたり、事業環境が激変したときについていかれなかったり、変化に弱い会社になってしまいます。本気でこの会社の未来を考えるのであれば、経営アドバイザーを入れるなどして変革のシナリオを描き、その一環で女性の活躍推進の取り組みを入れていくことですね。でも、この相談者さんにその取り組みができるかどうかは別問題だと思います。
期間を決めて、あえて男性中心社会に飛び込んでみる
相談者さんが今の状況の中でがんばりたいのであれば、オールドボーイズネットワークを理解して、その世界にある程度適応していくと、わりと話が早いんですよね。議題が飲み会で決まるんだったら飲み会に行く、ゴルフ場で決まるんだったらヘタでもゴルフをするんです。郷に入れば郷に従って、その人たちのやり方に合わせていくんですね。
でも、怖いのは「過剰適応」という状況。最初は“飲めないお酒を仕方なく”、“できないゴルフを仕方なく”とやっているうちに、だんだんと染まっていくんですよ。自分のことを推すために割り切ってゴルフをしていたのが、「純粋にゴルフが好きだから」とか言うようになって、ミイラ取りがミイラになるんですね。脈々と続いている企業体質には、何らかの旨味があるんですよ。その味を知ってしまったらもう出られない!
そうならないためには、“この日までは迎合する”と決めて、短いスパンで相手の懐に飛び込んでみるといいかと思います。そして、必ずしもオールドボーイズネットワークに迎合するだけが成功策ではありません。いろんな方法を考えて、あの手この手の提案をしているうちに、会社をとりまく状況や経営方針が一変して、扉が開くこともありますから。
女性の働き方に関しての
社会的な課題はまだまだ山積みです。
だけど、
諦めずに進んでいきましょう。
小嶋さんに聞いたヒントをもとに、
自分の視点や考え方、
言動を変えてみることで、
きっと新しい扉が開くはず。
女性管理職の未来は明るいです!
<お話を伺った人>
株式会社アワシャーレ
代表取締役
小嶋 美代子さん