見出し画像

バブル世代に育てられた氷河期世代の私。若手社員との感覚のズレが、悩みの種……。こんなとき、どうする? 《板挟み状態編-8》

リーダーとして働く女性たちが
実際に体験した、
コミュニケーションや人間関係の課題と
それに対するアクションの
ケーススタディ。

同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

なんでも「多様性」で片づけられるのも、違う気がする。地方銀行で課長を務めるハルさんが、そう感じ始めたのは2年ほど前、部下のとある言動がきっかけでした。今はまさに時代の過渡期。だからこそ、自分の意見を振りかざすのではなく、自分の考えを疑うことも必要だと感じているようです。


勤務中に泣き出した若手社員。その理由は


今の時代の働き方は、「多様性」、「ワークライフバランス」。わかります。わかりますけど……、20年近く働き続けてきて、昔よりも仕事の場面とプライベートの場面の境界がすごく曖昧になってきていると感じていて。その曖昧さが多様性という言葉で片づけられてしまいがちになっていると思うんです。
初めて実感したのが、2年前くらいでしょうか。

支店で統括課長を務めていたときに、入社2年目ぐらいの社員が、勤務中に泣き出したんです。聞くと、飼っていたペットが亡くなってしまったそう。仕事なんて手につかないという様子だったので、早退を勧めました。すると、次の日も「ペットのためにお休みしたい」と。

私も猫を飼っているので気持ちはよくわかります。
でも、きちんと公私を分けて考えることも、大切だと思うんですよね。

業務のこととか、私自身の気持ちとかは、割り切って対応するので別に構わないんですけど、この件を上層部に伝えるのは苦しかったです。上の世代の人から理解を得るのは難しいですよ。「えぇっ!?」って、聞き返されました。


時代を経てきて感じる、どうしようもない感覚のズレ


私が入行したのは、就職氷河期の最後の方。正社員の同期は男女合わせて21人、そのうち女性は3人。多くの女性は、契約社員の扱いで一般職という時代でした。私は正社員としての就職先があること自体がありがたいという感覚で、この立場を手放すことはできないと、がむしゃらに働いてきました

さらには、先輩たちがいわゆるバブル世代。「何時まででも働くぞ!」「飲み会は必ず行くべし!」、そういう感覚の人たちに育てられました
それが普通だった私は、今で言うパワハラだとか長時間労働だとか考えたこともありませんでした。

最近、同期とかと集まっても、皆やっぱり若い世代との感覚のズレに悩んでいて。しかも上の世代はまだ昔を引きずっているから、板挟み状態だと。
かといって、部下たちに昔と同じようにしろとは我々からは絶対に言えませんよね。


人と話すことで、自分の考えを見つめ直す


悩みに悩んでいるからこそ、いろいろな人と話をするようにしています。私の考えが間違っているのかも? それとも、この考えも多様性の一つとして捉えていい? 客観的な意見に耳を傾けます。
私自身が変えていかなくてはならない感覚なのかもしれないですし、自問自答しているだけでは突破口が開けないから。

それに、人に話すことで少し気持ちが楽になるというのもありますね。だからこそ、この件に限らず仕事の悩みを話すときは、単なる愚痴にならないように気をつけてはいます。

ただ、話をするだけでは組織を変えられるほどにはならないので、自分自身の考えを整理しつつ、そろそろ何か違う形で動いていかなくてはいけないなと思い始めているところです。



イラストレーション:高橋由季











最後まで読んでいただきありがとうございます!! 新着記事はX(Twitter)でお知らせしています☞