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「女は目立つな」と育てられた私。仕事も腰掛けのつもりだったのに、管理職への打診が! こんなとき、どうする?

リーダーとして仕事をしていれば、必ずぶつかる
コミュニケーションや人間関係の問題。
相対する人も違えば、状況もさまざまで、
「こうすれば正解」がないのが
難しいところです。

そこで、
リーダーとして働く女性が実際に体験した
コミュニケーションの課題と
それに対するアクションを
ケーススタディとして紹介。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

男尊女卑を強いる親の元で育ち、常に自信がなかったというチサコさん。会社ではただそこに席が用意されているから働いているだけという受け身なスタンスでいたけれど、上司からは真面目な仕事ぶりを評価され管理職を打診されます。言われるがままに引き受け、今となっては大ベテランの域。自己肯定感も「昔は低かった」と過去形で表現するまでになった、チサコさんの意識の変化に迫りました。


「男性の3歩後ろを歩くこと」、「女の子は目立っちゃだめ」と言われて育ち、入社後の目標は寿退社


両親は戦前生まれ。母からは「男の人の3歩後ろを歩きなさい」だとか「お父さんより先にお風呂に入っちゃいけません、新聞も先に読んではいけません」、そんなふうに言われて育ちました。

あと、「女の子が目立っちゃだめ」もよく言われましたね。「あなたは女の子なんだから、そんなに前に出るものじゃない」なんて言われ続けて大きくなって。
そういう時代だったと言ってしまえばそれまでだけど、自己肯定感なんてちっとも育ちませんでした。

会社に入っても、どうせ腰掛け3年と思っていました。もちろん、目標は寿退社。
でも、いざ結婚することになり当時の上司に退職の話を持ちかけたら、「辞めなくていいんじゃない? とりあえず、しばらく続けてみたら」と言われたんです。「大変だったらいつでも辞められるからさ」とまで。

それならやってみようかなと、辞めるのはやめにしました。子どもができたときも、同じように引き留められました。私としては、特にキャリアプランも持たず、ぼんやり席にいただけという感じなんですけどね。

すると、そのうちに、管理職を勧められたんです。正直なところやりたいと思ったこともなかったし、それがどういうものかもわかっていない私が、管理職?
どうしたものかと1人思い巡らすなかで、「そんな辞令、なんで受けたん!?」とか「あなたができるわけないじゃない」という、いかにも親から言われそうな言葉が脳裏をよぎります。


抑圧されていたからこその反骨精神。これからは後悔のないようにやってやろう!


実際に、管理職を打診されたことを親に話しても、きっと訝しがられるだろう……そう考えたら、むしろやってやろうじゃないかと反骨精神が湧き上がってきました。チャンスがあるなら全部挑戦してみようと。せっかく与えていただいた転機なんだし、期待には応えていこうと気持ちを切り替えました。
人生を面白くするために、子どもの頃に親から制限されていたこと全部、やってやろう! そんな気持ちでした。

それからずっと居座り続けて、あれよあれよと役職定年の一歩手前まできました。今は社員教育を担う部署にいます。

改めて、教育ってすごく大事だなと感じていますね。ただ説明をするだけの研修でなく、各自の潜在意識やアンコンシャス・バイアスをリセットして、マインドを育てるような研修をするべきだとずっと思っています。研修というか学習ですよね。
現場では、まだ「俺の背中を見て育て」みたいな部分が多いので、きちんとしたベースを作ってあげたいなと思っているんです。

いくつになっても、心の中に「女の子なのに」という親の声が聞こえてくることがあるけれど、男とか女とか関係なく、私自身がやろうと思ったことは、やり遂げたい。これからの人生、あと何年楽しめるのだろうと考えると、ますますやる気が出てきています。



イラストレーション:高橋由季









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