部下とはいいチームづくりができているのに、上司には振り回されてばかり。こんなとき、どうする? 《チームマネジメント編-10》
リーダーとして働く女性たちが
実際に体験した、
コミュニケーションや人間関係の課題と
それに対するアクションの
ケーススタディ。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。
リーダーとして、部下との関係性よりも上司との関係性に悩みっぱなしだったふみさん。藁にもすがる思いでメンターに相談すると、無意識の思い込みに気付かされたそう。それからは、ボスマネジメントに励む日々。マネジメントするべき相手は、部下よりボスの方!と言い切ります。
上司に対するモヤモヤをどうにかしたいと、メンターに相談
私はリーダーとして部下を抱える立場ですが、サラリーマンなので当然、上司もいます。部下との関係で問題が起きることもなくはないですが、それよりも困るのは上司との関係。なぜなら、彼らは組織のなかで力を持っているから。
振り回される苦労も上司によるものの方が圧倒的に大きいですね。
これまでの経験を振り返ってみても、相性の悪さや仕事へのスタンスの違いでモヤモヤさせられた相手は上司ばかり。
だから、パワーを割くのは“ボスマネジメント”に7割、部下のマネジメントに3割ぐらい。ボスからのしわ寄せは結局部下にも降りていくので、チーム全体のトラブルを予防するためにも、その方がいいと感じています。
以前、いい人だと思って慕っていた上司と、急激に関係性が悪化したことがあったんです。
それがきっかけで、社外のメンターに相談するようになりました。上司とうまくいかないことが私のキャリアの致命傷になると思うから、どうにかしたいと。それでずいぶん意識が変わりました。
気づかないうち、“上司”に期待しすぎていた?
メンターとの面談で一番の衝撃を受けたのが、「そもそもふみさんが上司に悩まされているのは、”上司は仕事ができる人”という前提があるからだよね」と言われたことです。
仕事ができるから上司という立場になっているとは限らなくて、むしろ”うまく組織を歩ける人”が上司になっていることの方が多いと。「たとえ仕事ができなくても、上に気に入られているだけで引っ張られることもあるから、“上司=仕事ができる”という考えが、そもそも勘違い!」。
確かにそうだなと納得したところから、私自身も変わっていきました。
上司が何を欲していて、どんな言葉に喜んで、どうしたら協力してもらえるか。できる人であるはず、という期待や先入観を捨て、自分自身のためにはどう接するべきか。メンターからはそのヒントも多くもらっています。
メンターには、上司とのエピソードに「それはあなたが子どもだったね」と返され、悔し涙を流したこともありましたし、価値観を思いっきりひっくり返されたり、厳しい言葉に打ちのめされたり。面談は決して甘いものではないけれど、今ではメンターのおかげと思うことばかりです。
イラストレーション:高橋由季